「有限会社STM商事」酵素の力で養鶏・畜産農家を支えるすごい企業が佐賀にありました。
佐賀のすごい企業を紹介する「佐賀スゴ企業」カテゴリー新設に伴い、その第一弾として紹介させていただくのが「有限会社STM商事」です。
さてこの会社、いったい何が凄いのか?というと、なんと非常に難しいといわれている酵素を自社で生産し、酵素を使った製品で色々なことをやってしまおう!という会社なんです。
現在STM商事が主力として取り組んでいるのは、養鶏・畜産業者向け酵素製品の製造と販売。福岡、佐賀、熊本県内約70の事業者へ酵素水を販売し、様々な効果をあげているそうなんです。
こちらが酵素を熟成させるタンク。手前の小さいほうが4t、奥の大きなタンクが10tのタンク。
さっそく事務所に案内されて、工場長から酵素の効果をいろいろと説明を受けたのですが・・・普通の人からすると、そもそも酵素ってなんぞや?という話ですよね。
なんか生ごみを分解したり、ガンコな汚れを落としたり、体に良い物質というくらいの認識しかない私。ズバリ、聞いちゃいました!って、そこからかよッ!w
今回の取材は、当サイトの読者である「酵素の生産指導」をしている先生からの依頼だったので、根本から解ってない私に対し先生が丁寧に教えてくれました。
曰く「体内で発生するすべての化学反応に必要となる媒介物質」とのこと。
ご飯を食べて消化して、その成分を分解して栄養素にする際に必要となり、また、体内の栄養素から体の再生、修復などに必要な物質を作り出す際にも必要になる。
つまり、酵素の働きがなければ、ご飯を食べても分解吸収できず、また、体内物質も作られなくなってしまう。それほど体にとって重要な物なのだと・・・また、代謝酵素が十分に働けなかったり、足りなかったりすると肥満の原因にもなるそうです。
へ~、知らなかった。
STM商事には倉庫のような建物が2棟。向かって左側で酵素を製造、右側で熟成し様々なテストを行っています。
さらに突っ込んで酵素の先生からレクチャーを受けつつ、酵素の理解を深める私。実はこの先生、日本国内のみならず韓国の企業にまで酵素生産のノウハウを指導したんだそうです。業界では結構有名で、酵素生産の第一人者といっても過言ではないのかもしれません。
知れば知るほど酵素スゲーとなっていく私、そこで改めて工場長と担当の女性スタッフから説明をしていただきます。実際に酵素水を使用している養鶏場でのテスト結果を見る私・・・なんか、思いっきり数学だw
メモには様々な数式が書かれていて、最初に見せていただいたのは卵の資料。STM商事で製造している酵素水を、100倍希釈と200倍希釈で2週間飲ませた場合の卵の出来について書かれていました。
結果は卵が大きくなって、白身の盛り上がりが大幅にアップしたそうです。酵素水を使うことでエサ代は高くなりますが、卵のグラム数アップと品質アップで養鶏業者の利益アップに繋がるんだとか。
他の養鶏場でもテストデータを取っているそうで、かなり良い結果が出ているそうなのです。この結果をうけて、酵素水で育てる専用の鶏舎を建て「酵素たまご」として売り出そうかという養鶏業者が出ているのだとか。
その時はまた取材に呼んでくださいとお願いしときました。
実現するといいな~、吉野ケ里名物「酵素たまご」とかいいじゃないですか。
※この話は、あくまでも現在協力いただいている養鶏場での試験結果です。まだ検証中ですので、全てに同じ結果が出るという事ではありません。誤解しないでくださいね。
さらに、こちらはブロイラー(肉用鶏)の飼育データ。
一番上に酵素水を使用した期間、1wが一週間で5週まで飲ませた場合の比較。色がついている列の数値が「酵素水」を使用した場合です。
ブロイラー(肉用鶏)の育成で重要なのは「PS」という数値、プロダクションスコアというそうです。ブロイラーはひよこの状態から出荷までおおよそ7~8週間、50から55日かかるそうです。
で、ブロイラーって育成中にガンガン死ぬので、最初に入って来た羽数が出荷時に何羽残っているかとか、出荷時の体重とか、エサ代とか出荷までの日数だとかを数式に当てはめて算出する指標だそうです。当然、高ければ利益が増えます。
過去に行ったテストでは、このPSを平均で13ほどアップすることができたのだとか。
ただ、この数値は育成環境や鶏舎の設備などで大きく変動するそうなので、一概に良くなるといえるものじゃないそうです。あくまでもテストに協力いただいた鶏舎で出た結果。まだテストケースが少ないらしく、すべてに適用できるわけじゃありません。
さらに細かい数値をまとめた表。いいんですかね、こんなにデータをポンポン出して・・・
酵素水の優れたところは、鶏に飲ませて体外酵素を吸収させるだけじゃないんです。鶏舎にまけば有機物を分解するのでアンモニア臭が緩和されるなど、衛生面の向上にも役立つそうなんです。便利ですね。
酵素水の安全性検査もちゃんと受けていますよ。
他にも分解用酵素の研究も進んでいて、生ごみなどの処理はもちろん、福岡県の漁業者と協力して漁業用網の再生やメンテナンスに使えないかテスト中だそうです。
しばらく放置していたため虫がついたり、なんかもう、ベトベトドロドロになってしまった網。恐ろしいぐらいグロテスクな虫だらけのアップ写真とかあったのですが、掲載に向いてないので一番ましな写真を選びました。
さて、酵素とを入れて熟成させた木製チップに埋めて置いておくと、こんなに綺麗になりました!
5月25日からスタートして、6月4日に取り出して洗浄した後の写真。見違えるようになっていて、同じ網と思えないですよね。
他にもいろんな事例があったのですが、まだまだテスト中なので確約できるものではないとのこと。しかし、確実に結果を積み上げているのが素晴らしい。
さて、事務所でのお話はここまでにして、営業主任の案内で酵素のテストをしている場所に案内していただきます。
左側に酵素を熟成するタンク、右側には製品化された酵素水を入れる容器が並んでいます。
こちらが酵素水。常時250tくらいストックがあるそうです。100倍に希釈して使うとすると、相当な量ですね。
左手に少し見えているのが生ごみ処理機。奥にある木製チップの山は、酵素を入れて微生物を繁殖させ生ごみ処理機に入れるそうです。一台で最大50kg/日の処理が可能だとか。
養鶏場って毎日たくさんの鶏が死ぬので、その処理の際に17羽分の死骸を一日で処理した実績があるとのこと。ただ、脂が多い死骸だけを毎日限界量まで入れると処理が追い付かなくなるそうです。
ちなみに、木製チップは国産杉。
こちらが酵素が入っている、活動状態になっている木製チップ。手を入れてみると、じわ~っと温かい。だいたい40度弱くらいでしょうか、分解中は温度が上がります。
中に見えてる大きなチップは、微生物が付きやすいように入れているんだそう。ちなみに、鶏の死骸をこの中に入れると、一羽なら3時間で分解完了するそうです。
「人間も分解できるんですか?」と聞いてみると・・・「死体なら一日かからずになくなりますよ。」とのこと。
ひえぇ~、聞くんじゃなかったw
この後、酵素を生産している場所も見せていただいたのですが、そこは企業秘密なので公開しちゃダメとのこと。写真だけでも、見る人がみたらすぐに真似されてしまうそうです。
ここで生産されている酵素は、よくテレビCMで見る「万〇酵素」とは全く違うもの。野菜をとにかく濃縮して、野菜が持っている酵素を凝縮したのが野菜などが原料の酵素。
STM商事で生産されている酵素は、水の中に有機物と微生物を入れて微生物に分解酵素を出させる方法で作っているのだそうです。微生物の活動時間が5~6時間、その間隔でどんどん世代交代しながら数を増やしていき、水の中には微生物が出す酵素が蓄積して酵素濃度が高くなり酵素水になるそうです。
なので、水に入れる有機物の種類で様々な能力を持った酵素を作ることができるのだとか。例えば、胃の消化液「胃酸」に耐えて腸まで届かせる酵素を作るなら、酸性の果汁や果実を分解させるそうです。
そうすると、微生物は酸を分解できる酵素を出すので、胃で失活(酵素は生き物じゃないのでこういうそうです)せず腸まで届いて役割を果たすことができるのだとか。へ~、酵素って奥が深いですね。このまま弟子入りして酵素の勉強でもしてみようかな・・・
最後に、STM商事で作られた分解酵素が、福岡市内の保育園で活躍しています。
福岡市城南区にある仁愛保育園。
ここに通う園児、職員あわせて約300人分の生ごみを処理しているこの機械。
中に入っているのは、STM商事製の酵素とチップです。
2年間、メンテナンスフリーで毎日稼働しているそうです。すごいな~。
という事で、今回は吉野ケ里町にあるバイオ関連の小さな巨人企業「有限会社STM商事」にお邪魔しました。
酵素に関しては全国でも様々な研究がおこなわれているそうで、これからどんな酵素を使った製品が生まれてくるのか。楽しみですね。
「有限会社STM商事」
MAP:佐賀県神崎郡吉野ヶ里町吉田2001-16 Googleマップへ
電話番号:0952-55-7317
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