これは珍しい、オモシロい形の古民家。
「山口家住宅」国重要文化財、佐賀と福岡の一部地域だけで見られる「じょうご造り」の古民家。
ほぼ正方形の四角い建物で、屋根の真ん中がじょうご状になっており、そこに水を集めて屋内にある樋を使って外へ排出するという珍しい建物。「じょうご造り」といわれる地域独特の住宅。佐賀南東部と福岡の南西部だけで見られるそうです。
そんな珍しい建物で、江戸時代に建てられた家が佐賀市南部の川副町に現存していると聞いて、見に行ってきました。
山口家住宅は個人の所有で、今でも居住用に使われているとの事。実際に現地に立つと、住宅地の中に、ここだけ時間が止まったような見事な住居がありました。
真ん中をヘコませた正方形の屋根。独特の構造が図で示されたパネルがありました。
近づいてみると、見事な葦葺の屋根。真ん中あたりに、屋根の中央に集めた雨水を排水する場所が見えます。
玄関横にあった山口家住宅を説明するパネル。
個人宅の為、自由に中を見学できないのですが、ちょうど所有者の方が外に出てこられ中を見せて頂くことが出来ました。
ここが屋根の真ん中部分、じょうご造りという名前の元になった雨水を集める部分です。底の部分は瓦を使用しているんですね。
じょうごになった部分に集められた水は、屋内を通る樋を使って外へ排出されます。古い住宅は何件も見に行っていますが、こんな構造は始めてみました。
宅内を通った水の排水口。
宅内に戻って、入口土間には見事なカマドがあります。
柱と梁が組み合わさっている部分と、排水口を屋内から。
神棚も年季入ってます。
文化財として保護されているだけでなく、しっかりとした生活感があるので江戸時代の生活を偲ぶのに最適な家です。19世紀中ごろ、江戸時代末期に建てられた家だそうですが、本当に綺麗な状態で保たれています。
家の上空写真を見せて頂きました。屋根の真ん中部分が「じょうご」のようになっているのが良く分かります。
屋根のてっぺん、三角形になった棟の頂点に馬の耳のような飾りがあります。「みんのす」と呼ばれる飾りだそうです。
この付近には「じょうご造り」の家は何件かあるそうで、この山口家住宅が最も古く状態が良いそうです。江戸時代における農家の建物として、往時の姿そのままに使われている住宅。
歴史などが好きなので行った先々で古い家などを見学していますが、こんな面白い構造の家は始めてみました。
家主さんもとても気さくで親切な方で、楽しく見学する事が出来ますよ。
三重津海軍所跡や佐賀空港からも近いので、立ち寄り安い場所です。時間があれば、ぜひ立ち寄ってもらいたいですね。
「山口家住宅」
MAP:佐賀市川副町大字大詫間930 Googleマップへ
外部からの見学が出来るように公園のように整備されていますが、個人宅のため内部を見学する際には所有者の許可を貰う必要があります。
最新情報をお届けします
Twitter で佐賀ポータルをフォローしよう!
Follow @SagaPortalCopyright © 佐賀ポータル All rights reserved.