シリーズで紹介している佐賀市中心部にある「佐賀歴史民俗館」の建物たち、今回は「旧三省銀行」です。佐賀歴史民俗館は、明治から昭和初期にかけて長崎街道沿いで賑わった金融街の地域をまるごと資料館にしている珍しい場所。複数の明治から昭和初期の建物が、そのまま展示され、一部は店舗などで利用されています。そんな中でも「旧三省銀行」は、他にない珍しい特徴を備えた建物。伝統的な町屋建築が持つ空間構成を、銀行として機能させるために工夫した建物で、とても見応えがあります。
一階正面の入口は、町屋のようですが外に向けた窓に鉄格子や銅製の雨戸を設けるなど、外部からの侵入に対して閉鎖的な造りになっています。
入口から中を見ると、続き間で庭まで見渡せます。間口は狭く、奥に長い町屋の造りですが土間はありません。
最初の部屋を抜けると、広い吹き抜けになっています。
吹き抜けにある、二階へと続く大階段。旧三省銀行には、二階へ上がる階段が3か所あります。窓は格子が嵌められ、銅製の雨戸が付いています。
吹き抜けの階段を上がってすぐの洋間、窓は障子を貼った和風、床の間が設置された和洋折衷の不思議な部屋です。
洋間から二階広間へと続く通路、吹き抜けを通過する畳敷きの廊下になっています。
二階にある広間、様々なところに細かい細工が施されていて見どころ満載。
一階奥の間から入口方向、吹き抜けの大きな階段と入口横の丸みを帯びた窓が印象に残ります。
奥の間から見える中庭、中庭には銀行らしく立派な蔵が建ち廊下で繋がっています。
旧三省銀行は明治15年に米相場取引を行う三省社として創業し、明治18年に三省銀行として正式な銀行となりました。そのご、投機師専門の銀行となっていき明治26年に廃業。その後、この建物は医院や住宅として使用されてきました。
全体としては和風の伝統的な建築物に見えますが、日本建築を銀行業務に対応できるように工夫した造りになっています。江戸から明治、日本が西洋化していく過程で作り出された珍しい建築様式、明治時代の息吹を感じる事が出来る面白い建物でした。
参考:佐賀歴史民俗館公式サイト
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