「グリコのポーズ発祥の地」は佐賀にあった!由来となった神社とグリコ創業者の生家跡

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グリコのポーズ

グリコといえば「グリコのポーズ」そしておまけですね。子供のの頃は父が買ってきてくれるキャラメルが楽しみでした。

グリコのキャラメルで有名な江崎グリコって、佐賀からスタートしてるんですね。そういえばエンゼルマークの森永も伊万里だから佐賀でしたっけ、日本を代表する菓子メーカーの創業者が佐賀から二人も出ているとは知りませんでした。今風に言うとお菓子の聖地とでもいうんでしょうか、佐賀のお菓子文化おそるべし。

話しを戻して、タイトルにある「グリコのマーク発祥の地」なんですが、通勤途中の地下鉄の中でネットの世界を旅している時に見つけたんですね。そして知りました。グリコのポーズの発祥は、佐賀市蓮池町の神社にあるという事を。

グリコのポーズって何ぞや?という人の為にフリー画像を探してきました。大阪道頓堀にあるコレです、このポーズ。

江崎利一生家

ポーズの名前は「ゴールインマーク」というそうなのですが、誰もが一度は目にしたことがあるんじゃないでしょうか。このポーズは誰かをモデルにしたものではなく、グリコ創業者である江崎利一氏が思いついたもの。その思いついた場所が家の近所にあった神社で、今も現存しているというじゃないですか。江崎利一氏の生家は佐賀市蓮池町。ということはそこに現場があるということ。

これは佐賀ポータルとして見逃せません、さっそく佐賀市に行ってみましょう!

という事でやって来たのが佐賀市蓮池町。「蓮池郵便局」という派手な郵便局があったので、ここで場所の最終確認。

江崎利一生家1

郵便局の駐車場にあった地図を見てみると、ちゃんとありますよ神社の場所。江崎利一氏の生家近くの神社、名前は八坂神社。ここがグリコのポーズ発祥の地です。このことについて書かれた情報によると、2014年時点では江崎グリコ創業者「江崎利一」氏の生家は神社の近くに公民館として残っているとのこと。一緒に見学しに行きましょう。

江崎利一生家2

まずは蓮池郵便局から佐賀市中心部方面へ向かい、県道20号線「蓮池交差点」の少し手前の交差点を右折。佐賀市内からの場合は、蓮池交差点を過ぎてスグ左折です。

これはまたローカルな雰囲気ただようレトロなストリートですね。

江崎利一生家3

木枠の引き戸がとっても色っぽい建物。近所のスーパー的な店だったんじゃないでしょうか、私の勝手な想像ですが。食料品とか売ってそうな雰囲気がありますよね。それとも酒屋かな。

江崎利一生家4

この建物も迫力ありますよ、薬局のようです。こちらはまだまだ現役。

江崎利一生家5

昔ながらの田舎町、レトロな建物が立ち並ぶ通りを真っ直ぐ進んでいくと鳥居が見えてきました。

道が直角に曲がってますね、江戸時代からの道だと思われます。ここが最初の目的地、グリコのマーク「ゴールインマーク」発祥の地「八坂神社」です。

江崎利一生家6

正面から見ると「八坂神社」と書かれていますね。

江崎利一生家7

鳥居をくぐると真っ直ぐ社殿まで続く直線。手前に見える二つの円柱のような石は、おそらく鳥居の一部と思われます。

グリコのポーズ8

佐賀らしいクリークと古い橋。この橋がまたいい寂れ具合です、かなり古いですよ江戸時代の橋じゃないでしょうか。このクリークの形状といい、橋の古さといい実に渋い。こういうのが普通にあるんですよね、この佐賀という街には。

グリコのポーズ9

橋をわたって社殿へと続く真っ直ぐの道。まさにここ、この場所がグリコのポーズ発祥の地なんです。

グリコの創業者・江崎利一は、ここ蓮池で生まれ父の代から続く薬の販売業を営んでいました。その傍ら新規事業として、キャラメルに牡蠣からとれる「グリコーゲン」という物質を入れた商品の開発に取り組みます。森永のミルクキャラメルをライバルと設定し、森永のエンゼルマークに対抗するマークを考える日々。

そんな時に近所の神社、ちょうどこの場所、八坂神社でかけっこをして遊ぶ子供たちを見て、両手をあげてゴールする姿をモデルにしようと思い付きます。そこで具体的な図案を小学生から調査し、グリコのマーク「ゴールインマーク」が完成。41歳になった利一は、一家をあげて大阪へ移住。江崎グリコの前身となる江崎商店を大阪市西区で設立。大正10年の事でした。

グリコのポーズ10

いやいや凄いですね、なんの変哲もない地元の神社。ここから日本を代表する菓子メーカー江崎グリコがスタートしたんですよ。リアル商売繁盛の神様。

江崎利一氏もお参りしたであろう拝殿の前、私も同じ場所に立っています。感慨深いですね、まだ成功する前の利一氏。いったい何を思い手を合わせたのでしょう。私みたいな負け犬がお参りするのもおこがましいですが、少しでもあやかれたら・・・ちゃんとお参りしときますよ!

賽銭はケチですけどw

グリコのポーズ11

拝殿の前から鳥居の方向、境内を真っ直ぐに貫く一本道。

この道こそが”The road to success(成功への道)“和製英語風にいうと「サクセスロード」です。佐賀にあった町の小さな薬屋さんが、世界のグリコへと飛び立つ滑走路となった道。

これ、パワースポットというやつじゃありませんか?

更にこの道を真っ直ぐ進むと、江崎利一氏の生家があった公民館があるんです。まさかそのまま大阪まで?と思ったら、愛媛高知を抜けて和歌山の南側ですね。残念、大阪直撃コースだったら出来過ぎた話になってたのに。

グリコのポーズ12

拝殿奥の本殿、ここに江崎利一氏を見守っていた神様が鎮座されているんですね。

グリコのポーズ13

その横にも神様が祀られていました。

グリコのポーズ14

神社へのお参りを済ませ、続いて江崎利一氏の生家へ向かいます。と、その前にチョット寄り道、近くを歩いてみると古い家が沢山あります。このレトロ感たまりませんね。ザ・日本の農村という感じ、思いっきりカントリー気分を味わえます。

グリコのポーズ15

こういう建物がドーンと狭い通りに建ってます。

グリコのポーズ16

付近を散策して田舎気分を存分に味わい、元の道に戻ってきました。ここが江崎グリコ創業者、江崎利一氏の生家跡です。って、あれ?こんなに新しい建物なの?

グリコのポーズ17

ちゃーんと石碑には「江崎利一出生の地」と書いてありますね。間違いはなさそうです。

グリコのポーズ18

私が事前に調べたときに見たのはこの写真。九州ドライブナビというサイトに2014年4月28日付けでアップされた記事の写真です。

この頃には立派な古民家が写っているのですが、建て替えられてしまったようですね。うむむむむ・・・残念無念。

江崎利一氏の生家は、蓮池町に寄贈され公民館として使われています。3年ほど前までは残っていたようですが、いまはもうありません。残念ですね、もう少し早く来ていれば見る事が出来たのに。

気を取り直して、生家前から八坂神社方向を見てみました。ほんとすぐ近く、真っ直ぐ正面に鳥居が見えています。

グリコのポーズ20

隣が空地になっていたので、斜め方向から生家跡地を撮影。見る限り、江崎利一氏が暮らした家の面影は全く残っていません。

グリコのポーズ21

戻って石碑の土台の部分、江崎利一氏の略歴が刻まれているようです。

グリコのポーズ22

その横には恵比寿像があり、更に横の道路際。木に何か書かれています。

読んでみると「小田氏滅亡後、天正12年神埼城原城主江上家種が蓮池城主として入城の際、神埼の商人家が城主について移り住んだ商人町である。」とあります。

この江上家種、あの戦国の英雄、九州三強時代の一角を担った「龍造寺隆信」の息子ですよ。義父は江上武種で、龍造寺隆信と徹底的に対立し最後は主君少弐冬尚と共に勢福寺城に籠城した武将。龍造寺隆信に破れた少弐冬尚は自刃、勢福寺城主であった江上武種は許されたものの隆信の息子を養子とし、江上家種と改名した隆信の息子に家督を譲っています。

まさかまさか、こんなところで龍造寺隆信の物語に出会えるとは。今年いったばかりですよ、勢福寺城。少弐冬尚のお墓にも参ってきました。

こういう出会いがあるのが佐賀の魅力。龍造寺隆信を通じて、歴史の繋がりを感じる事が出来るんです。佐賀は戦国時代が面白い、龍造寺隆信の足跡を辿ればいろんな物語にリンクしていきます。凄いですよね。

グリコのポーズ23

そしてここは神崎町という地名、先ほど見に行った八坂神社は江上氏が城原(神埼市の城原川流域)から移転したものだそうです。八坂さんといえば祇園さんですね、有名な祇園祭りもあるそうです。私は父が京都だったので、京都の祇園さんに毎年初詣に行ってました。明治11年には336人が住んでいたそうで、戸数は消えていて読めません。

グリコのポーズ24

公民館の裏手に回ってみると、クリークを挟んで見事な麦畑が広がっていました。家の裏にはクリークと呼ばれる水路がある、これも佐賀の定番ですね。

グリコのポーズ25

表に戻って斜め向かいには、立派なお寺。

グリコのポーズ26

お寺の名前は「真教寺」山門をくぐってすぐに塀があり、本堂が見えません。

グリコのポーズ27

塀の由来が書かれた立て札があります。読んでみると、このお寺には歴代蓮池藩主の位牌が安置されていて、位牌から見える寺の前を馬上で通ると無礼に当たる事から家臣は下馬して歩いた。この様子を不憫に思った当時の住職が、家臣たちが馬上で通過できるように塀を立てて位牌から見えなくした。「お隠し塀」とよばれていたが、老朽化したために平成十四年に改修した。とあります。

グリコのポーズ28

これが改修された「御隠し塀」です。

グリコのポーズ29

入り口の塀を回り込んで、中に入ると立派な本堂がありました。幼いころの江崎利一氏、この境内で遊んだんじゃないでしょうか。

江崎グリコのトレードマーク、グリコのポーズこと「ゴールインマーク」発祥の地を訪ねる旅。パッと見に行って終わりかと思いきやそこは佐賀、ただでは終わりません。江崎グリコ関連だけでなく、最後にやっぱり龍造寺隆信に結びついて行くあたりはもはや様式美。

それだけ佐賀に強烈なインパクトを与えた偉大な英雄なのです。佐賀で町歩きするときは、龍造寺隆信の事を調べておくと面白いです。私の体験からして間違いない。

ということで江崎グリコ創業者「江崎利一」氏生誕の地、そしてグリコのマーク「ゴールインマーク」発祥の地を訪ねました。佐賀にはこんな面白い場所が注目もされずに隠れてるんです。

何かにチャレンジしたいと思っている人、チャレンジを始めた人、江崎グリコの成功にあやかりたい!そんな人は、佐賀蓮池町の八坂神社にお参りしてみてはいかがでしょう。偉大な創業者に所縁のある地を訪ねる事で、何か感じるものがあるかもしれませんよ。

「グリコのポーズ発祥の地」

MAP:佐賀市蓮池町蓮池217⇒ Googleマップへ





 

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たくや@非正規編集長非正規農家兼ブロガー

投稿者プロフィール

現在は非正規社員で非正規農家、非正規ウェブメディアの自称編集長。
主に営業畑を渡り歩き、広報企画担当時にマーケティングを実地で勉強。
一部上場企業で営業課長、ベンチャー企業では営業本部長という肩書を貰った事もあります。
全国10以上の都市に転勤し、都会と田舎の格差に驚愕。地域活性化に興味を持ち、まちおこし関連の仕事をすることが現在の目標。

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