「丸ぼうろ」って佐賀で生まれたお菓子だったんですね、知りませんでした。
「まるぼうろ」というお菓子、誰もが一度くらいは目にしたことがあるんじゃないでしょうか。ソフトクッキーでもなく、ケーキでもなく、柔らかいような少しサクッとするような、それでいてもちっとしているような・・・独特の食感と優しい甘さ、そして焼き菓子の香ばしさを持つお菓子。
百聞は一見に如かず。こんなやつです、食べたことありませんか?
丸ぼうろの起源は諸説ありますが、wikiによると
ポルトガルの北部の都市であるフェルゲイラスに伝わる郷土菓子である「カヴァカ・フィーナ・デ・カルダス」という焼き菓子が起源となっていると言われる
使っている材料はポルトガルの「カヴァカ・フィーナ・デ・カルダス」とほぼ同じで、ポルトガルの焼き菓子が元になっているようです。日本に伝来したのはヨーロッパの大航海時代、日本では安土桃山時代頃に、ポルトガルから訪れる宣教師や商人から日本人が製法を学んだのではないかと考えられています。日本で作られ始めたのは17世紀と考えられていて、北島はそのルーツの一つ。もう一方、現在も営業している鶴屋というお店がルーツとする説もあります。
いずれにしても佐賀が発祥のお菓子で、17世紀に生まれた菓子を400年近く作り続けているなんて凄い事です。江戸時代、佐賀の城下町でも多くの人がこの菓子を味わった事でしょう。まさにお菓子の文化財。
そんな伝統の味を今に伝える「北島」の白山本店は、佐賀唯一のアーケード商店街「白山名店街」の中央大通り側入り口にあります。
丁度入り口角のお店、二階から上が黄色い建物。ここが「北島白山本店」です。商店街側の入り口はコチラ。
ふと噂で聞いたのですが・・・この北島白山本店でのみで限定販売している、とってもお得な丸ぼうろがあるそうなんです。今回はその真意を確かめるべくやってきた訳なんですねぇ。
店内に入ると様々なお菓子があるのですが「丸ぼうろ」はやっぱり看板商品なのでしょう、ディスプレイが充実しています。
こちらには洋菓子、美味しそうなケーキがあります。
丸ぼうろからの派生型でしょうか「花ぼうろ」というお菓子もありますね。
丸ぼうろ一個税別80円でしょうかね、消費税が入ると細かくなって見難いですよね。お店での正式な商品名は漢字で「丸芳露」です。
とっても綺麗なお店なので、落ち着かずにキョロキョロしながら噂で聞いたお得な「丸芳露」を探します。グルッと店内を探した後、スタッフに聞いてみようと思いカウンター上を見ると・・・ありました!
明らかに安い!お得パックみたいになってます。花ぼうろも一緒に並んでますね。商品名に「おやつ」が付いて「おやつ丸芳露」と「おやつ花ぼうろ」。ちなみに、花ぼうろは一個税込み172円、おやつが付くと108円です。
並んでいるのはとっても美味しそうな「丸芳露」ですけど、「おやつ丸芳露」になると何が違うのでしょう。
スタッフに訪ねてみると、焼きムラができたり、角が欠けたり、要するに製造過程で少し見た目が悪くなってしまったものだそうです。えぇっ、それだけ?確かに見た目が少し悪くなってたりすると贈答では使えないけれど、自宅で食べるなら十分ですよね。
他のお店でも取り扱いがあるか聞いてみると「おやつ」が付く、いわゆるアウトレット品は本店のみの取り扱いだそうです。
なるほど、これが噂の「本店限定お得な丸芳露」なんですね。早速「おやつ丸芳露」を一袋、ついでに「おやつ花ぼうろ」を三個購入しました。
自宅に帰ってから開けてみると「おやつ丸芳露」は10個入り、購入価格は540円。正規品は864円なのでかなりお得。
アウトレット品とのことで、状況を確認しようと一つ取り出してみました。並べて比べると違いが出るのかもしれませんが、単品で見てみると若干焼きムラっぽい濃い茶色がありますが気にならない程度。
けっこうカリッとしてそうなので割ってみようと思ったら、これが意外とモッチリ粘りがあるんです。少しちぎって、味を確認・・・うま~い!
味は全くもって問題などありませんでしょう、えぇ、文句なしですよ。表面はサクッとしてそうなんだけどしてなくて、しっとりソフト。かといってケーキ生地みたいにフワッではなくて、ギュッと詰まってモッチリした感じ。独特ですよねこの食感。そして優しい甘さと香ばしさ、メッチャ旨い!みたいなインパクトは無いんですけど、ジワ~っと美味しいんですよ。数百年の間に様々なお菓子が登場する中で、淘汰されずに愛され続けてる味。不味いはずがない。
続いて「花ぼうろ」です。
コチラは一転して、とってもソフトでフワフワの生地。よくあるタイプのケーキ生地です。パッと見ではアウトレットになった理由がわかりませんねぇ。
少し横に向けてみると・・・あっコレかぁ。少し欠けている部分がありました。
しかしこの「花ぼうろ」ですが、名前は似ていても丸芳露とは全くの別物。完全な今風の洋菓子ですね、柔らかいケーキ生地でジャムのようなものをサンドしています。
それではさっそく食べてみましょう。
ふわっとした生地、この香ばしさはあれだアーモンドだ。私が好きな九州のスイーツに、南蛮往来というお菓子があるんです。あれと同じような香ばしさを感じます。南蛮往来はアーモンド粉の焼き菓子ですからね、間違いないでしょう。
これはイイですね、アーモンド粉の焼き菓子は私好み。そして間に挟まれてるジャムは何なのでしょう、甘酸っぱい系です。
原材料を見てみると、あんずジャムだったんですね。そしてほら、アーモンド粉が使われてました。
ちなみに「丸芳露」の材料はコチラ。メッチャシンプル。さすが昔から受け継がれてきたお菓子、昔からある材料で作られています。
この「丸芳露」、買って帰ったら家族にも大好評で、10個入りがその日のうちに無くなってしまいました。なんというか、ビックリするようなインパクトがある訳でもなく、メッチャ美味!と言えるほど大きな特徴がある訳じゃないんです。けど、この独特の食感というか噛み応えと、じわ~っと優しいコクのある甘さ。有名パティシエが作る絶品スイーツがフカヒレスープなら、丸芳露はワカメの味噌汁みたいな感じでしょうか。長い伝統の中で培われてきたシンプルだからこその完成度。
元祖の味をまだ食べたことが無い人がいたら、この「おやつ丸芳露」というお得なパックで試してみてはいかがでしょう。
「北島白山本店」
営業時間:9:00から20:00
北島公式サイト⇒http://www.marubolo.com/
※この記事は訪問時のものです、商品の内容や価格など変更になっている可能性があります。最新情報及び詳細は公式サイトで確認することをお勧めします。
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