「男島城跡」佐賀白石町にある須古城の支城と須古のレトロな城下町

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男島城2

龍造寺隆信の猛攻により落城した平井氏の居城高城(須古城)の支城跡。

佐賀県杵島郡白石町にある須古城跡は、龍造寺隆信が居城としたことで有名な城。鎮西屈指の堅城として知られ、龍造寺隆信の西肥前侵攻時には平井氏の居城として4度にわたり激戦が繰り広げられました。今回訪れた男島城はその須古城の東側を守る支城、西側には杵島城が築かれ3つの城が連携して防衛にあたりました。

須古城、杵島城、男島城の位置関係。

男島城1

田畑の中にポツンとある地さな小山。ここが男島城跡です。

男島城2

須古城の西側は百町牟田といわれた湿地帯で兵の展開が容易ではなく、敵の侵攻ルートとなりうる男島城がある東側は須古城を守る重要な拠点でした。

男島城から、須古城方向。

男島城3

須古城から見た男島城

まず最初に気になったのが、北東側の低い場所にある石垣。いつ頃築かれたものか分かりませんが、綺麗に残っています。

男島城4

男島城は二段になっていて、北側に低い広場、南側は高くなっています。この石垣があるのは低い場所。

男島城5

少し引いてみると見やすいですかね、この中は鬱蒼と生い茂る竹藪。

男島城6

竹藪の中から、高くなっている方を見上げると凄い急斜面。よじ登るのも難しい。上を見るには少し下がって見上げるくらいの高さがありますね、これは明らかに人の手によって削られた切岸です。

男島城7

足元には石がゴロゴロしています。石垣の石か、投石用の石か。それとも、その両方なのでしょうか。

男島城8

ここにも石垣の跡があります。戦国時代に、これほど石垣を多用した城は珍しいですね。龍造寺隆信の居城になってから整備されたものなのでしょうか。

男島城9

急斜面に残る大きな岩。とりあえず、上へと登っていきます。

男島城16

上に昇ると、ほとんど視界が効かないくらいの竹林。これはスゴイ・・・

男島城10

ここから北側の低い場所を見下ろすと、この高さ。さらに急斜面。

男島城11

少し歩くと、このように開けた場所に出ました。南側斜面に通路のような道が続いていて、ここがちょうど城の入り口のようになっています。大きな石が方形に配置されていて、桝形のようにも見えます。

男島城12

城の一番高い場所。この辺りが男島城の主郭部分だったと思われます。しかし、城自体がそれほど大きくなく、郭がいくつもあるという感じじゃありません。

男島城13

山頂には弁財天が祀られていました。

男島城14

南側の民家越しにみた男島城の入り口と思われる場所。山頂へと登る道があります。こっちは民家の敷地っぽいので、私は北東側の急斜面を上りました。

男島城15

男島城は小さい城でしたが、なかなかに見ごたえのあるお城でした。須古城が落城した第4次須古攻めの際には、龍造寺隆信の異母弟「龍造寺信周」が約2000の兵を率いて男島城を攻撃しました。守将であった平井刑部は討たれ、男島城は落城。

須古城の攻防は11月26日から始まり、12月20日まで続いた激しい戦い。この戦いには、佐賀鍋島藩祖である鍋島直茂も北側、須古城正面から攻撃に参加しています。

男島城から須古城方面に向かう途中にある「乱れ橋」は、龍造寺隆信の須古城攻めにより多くの犠牲者が出たため、この橋を「乱れ橋」と呼ぶと言われているそうです。

男島城17

しかし、石碑には「天明六年丙午秋彼岸建立」と刻まれていて、天明6年(1786年)と、須古城が落城した天正2年(1574)では200年以上の開きがあり、ブログ「ふるさと佐賀探訪」によると「川の氾濫(乱れ)による犠牲者を追悼した祠が建立されたとも考えられる。」のだそうです。

男島城20

一本南にある橋から見た乱れ橋。このクリークの美しさ、佐賀らしい風景です。

男島城18

この辺りは須古城の城下町だった場所で、いまでも昔懐かしい風景が残っています。この道は男島城から須古城へと続く道、正面に見えている小山が須古城。須古名物、須古寿しの看板もあります。

男島城19

土蔵造りの立派な建物もありました。

男島城21

こういった建物が、今でもいくつか残っています。とても静かな場所で、時間がゆっくり流れていますよ。

男島城22

古い建物が立ち並ぶ、須古城下町の通り。のどかだ、ほんとにのどか。今回は急いでバタバタしていたので、今度は改めてゆっくり来てみたいですね。

男島城23

この道を真っ直ぐ行くと男島城。正面、やや左手に見えている小山がそうです。

男島城24

須古城の西、杵島城がある方向は湿地帯だったとのことですから、ちょうど須古城から男島城までの間が古くからの集落だったのでしょう。男島城は城下町を内包した防御施設の、出城のような存在だったのかもしれません。

佐賀はやっぱり龍造寺隆信の足跡を辿っていくのが楽しいですよね、観光ガイドや旅行サイトでは知ることが出来ない素敵な場所に沢山出会えます。

さらに、龍造寺隆信という人は、一代で佐賀全域を転戦して数々の物語を生みました。多くの人たちの細切れのショートストーリーより、一人の英雄によって紡がれていく連続した歴史長編の方が断然面白い。これからも、時間を見つけて様々な場所へ赴いて行きたいと思います。

佐賀にはまだまだ行きたい場所が数えきれないほどあって、とても時間が足りない。佐賀には何も無いと言うけれど、よ~く目を凝らしてみると驚くほど多くの見どころがあるんです。

毎日のように新しい発見があって、行きたい場所が増えていく。奥が深いですねぇ。



「男島城跡」

MAP:佐賀県杵島郡白石町湯崎⇒ Googleマップへ



 

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たくや@非正規編集長非正規農家兼ブロガー

投稿者プロフィール

現在は非正規社員で非正規農家、非正規ウェブメディアの自称編集長。
主に営業畑を渡り歩き、広報企画担当時にマーケティングを実地で勉強。
一部上場企業で営業課長、ベンチャー企業では営業本部長という肩書を貰った事もあります。
全国10以上の都市に転勤し、都会と田舎の格差に驚愕。地域活性化に興味を持ち、まちおこし関連の仕事をすることが現在の目標。

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