「志田焼きの里博物館」佐賀のマイナーだけど凄い観光スポット!タイムスリップ気分を味わえます。

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佐賀の観光施設の中で、トップクラスの見応え。

まち情報:観光

志田焼とか聞いたことなかったけど、この観光施設で一気に興味が沸きました。

佐賀といえば中世から近代まで、様々な観光施設やスポットがあります。そんな中でも五本の指に入れていいんじゃないか?といえる観光施設に行ってきました。

訪問したのは「志田焼の里博物館」という、大正時代から昭和にかけて実際に稼働していた大規模な磁器工場跡。あまり知られていないというか、プロモーションされていない場所ですが見ごたえ十分。歴史的な遺構の場合、当時の様子がどれくらい残っているかが重要ですよね。その場所を見て、当時の様子を偲ぶ。それこそが最高の楽しみ方。コンクリで固めて小奇麗にしたり、天守のなかった城に模擬天守建てたりとか、マジでドン引きしますからね。

その点この志田焼の里は、ほぼ現役時代の姿を止めているんじゃないでしょうか。今でも普通に使っていますといわれても、全く違和感のない保存状態。素晴らしいですね。

志田焼の里博物館の入口。いかにも!というような、古めかしい建物が出迎えてくれます。

志田焼の里入口

入口を入ると、まず事務所で入館料を払います。私が訪れた時は300円でした。

志田焼の里事務所

入館料を払って、順路に沿って工場に入っていきます。もうね、入口から古い感じが抜群。素晴らしいです。

最初に見学するのは陶土工場、焼き物の元となる陶石を砕いて土にする場所です。

志田焼の里陶土工場入口

中に入るといきなり大掛かりな機械が設置されていました。これで石を砕いていたんですね。

志田焼の里陶土工場1

これが天草陶石。名前の通り熊本県天草産の陶石で、佐賀・長崎で生産される殆どの磁器の原料となっているそうです。ということは、有名な有田や伊万里もこの石を使っているんでしょうね。

陶石は嬉野市の塩田津まで水運を利用して運ばれ、そこから陸路で各地へ運ばれたそうです。

塩田焼の里天草陶石

▲の天草陶石を、ここの機械でガッチャンドッカンと砕いていくところから始まるんですね。

塩田焼の里陶土工場2

ある程度砕いたら、コチラのクラッシャーに入れてさらに細かくするようです。写真じゃ見にくいでですが、大きな鉄の車輪がついていて上から落ちてくる石をすり潰すようになっています。

志田焼の里陶石工場3

ここは水槽と攪拌機、砕いた石を入れて細かい砂状になった石を沈殿させます。

志田焼の里攪拌機

撹拌して沈殿し、細かくなった陶石の砂をポンプでおくりプレスして脱水すると、陶土が出来上がります。陶土は粘りが出て成形しやすくなるまで寝かされるそうです。

志田焼の里プレス

さて、陶土が完成したところで次の建物へ移っていきます。

こちらは釉薬(素焼きの陶磁器に書ける薬)を調合し、保管する場所です。釉薬は焼くとガラス質になって、磁器の表面に光沢を出してツルッとさせます。大人が入れるくらいのバカでかいカメが並んでいます。

志田焼の里釉薬調合場

釉薬調合所から入った建物の中には、焼き物の型が大量に保管されていました。皿から壷、火鉢まで様々な型があります。

もともとろくろを使って一つづつ作っていたそうですが、型が出来たことで大量生産が可能になりました。磁器生産に革命を起こした技術だったんですね。

志田焼の里型

こ、これは・・・ゆたんぽの型ではありませんか!ゆたんぽって、こんな字を書くんですね。湯に暖を保つで、湯暖保(ゆたんぽ)知りませんでした。

ゆたんぽって、磁器で作られていたんですね。てか、磁器製湯たんぽって、セラミックなんとかといって今でもケッコウ現役のようです。驚き@@

しかし、現代のおされ湯たんぽよりも、昔のこの文化湯暖保のほうが圧倒的にカッコいいですね。

志田焼の里ゆたんぽ型

いや~、焼き物の事を全く知らない、ド素人の私でも楽しみながら見学できる面白い場所ですね。ワクワクしながら順路に沿って進んでいくと、またもや陶土工場にあったような石を砕く機会が現れました。

これはポジといわれる容器を砕く場所だそうです。志田焼は陶土で出来た器を直火にかけるのではなく、容器に入れて焼くみたいなんです。そのための容器をポジというそうです。

志田焼の里ポジ再生機

一度使った容器、ポジを上の写真の機械で砕いて土に戻して再度成形して使うそうです。下の写真は、ポジを成形するための場所。

志田焼ポジ成形場

さて、いよいよ最大の見どころともいうべき窯へとやってきました。

この窯は昭和29年に作られた石炭窯、昭和50年ころまで使われていたそうです。この窯が出来るまでは、有名な登り窯を使っていました。

志田焼の里石炭窯1

内部に入る事も出来ます。

志田焼の里石炭窯1内部

ここに来る前に見た「ポジ」は、こうやって使われるんですね。ポジの中に収められた器。

志田焼の里石炭窯ポジ

続いて大きな窯、重油窯です。

昭和50年頃から使われていた窯だそうで、幅6メートル、奥行き8メートルの大きさです。

志田焼の里重油窯

窯の側面には燃料を送り込む配管と、空気を送り込む送風管が接続されています。上から温度計を入れて、内部温度を計れる構造になっているそうです。

志田焼の里重油窯側面

とうぜん、重油窯も中に入る事が出来ます。

志田焼の里重油窯内部

同じ建物内に、細工場という場所がありました。

大正3年の創業当時からあった建物で、ろくろが設置されて器の製造や、釉薬をかける作業が行われていた場所です。冬場の凍結を防ぐために焚き物を炊いて煙を充満させていたそうです。

志田焼の里細工場

いや~見どころ満載ですね、まったく退屈しません。続いて隣の建物へと進んでいくと、また石炭窯がありました。

コチラの窯は、現存する石炭窯としては国内最大級、横幅6.6メートル、奥行き12.4メートルの大窯です。

志田焼の里大窯

内部はギャラリーなんかで使われているようですね、とても雰囲気が良いんですけど窯の中と云われれると不思議な感じがします。

志田焼の里大窯内部

さて、建物から出て構内を見てみると、まるでタイムスリップしたような風景。古き良き日本の風景といいますか、昔の工場はこんな感じだったんですね。

こんな場所がまだあるなんて、すっごく素敵じゃないですか?

志田焼の里通路1

さて、続いてやってきたのは、ガス窯の建物。この辺りになってくると、街なかの窯元でも見かる窯ですね。

志田焼の里ガス窯

ガス窯の建物を出て、続いてやってくるのは絵付けなどを行っていた場所。これまた素敵な古き良き景観です、たまりませんね。

志田焼の里通路2

建物の中に入ると、絵付けされている器がありました。この場所も、とってもレトロな空間。現役の工場といわれてもだれも疑いませんよね。

志田焼の里絵付け1

ここで制作をしていたんでしょうか、作業台にろくろや様々な物が乗っています。

志田焼の里作業場

これは、陶土を練る機械。この陶土を使って、製品を作っていたんですね。

志田焼の里粘土

そして最後が乾燥場、職人さんによって作られた製品を乾燥させる場所です。

志田焼の里乾燥場

いや~すっごく良い場所でした。焼物の事など何も知らず特に興味のない私ですが、こういう工場跡とか見せられると「凄いな~」と思ってしまいますよね。

大正とか昭和初期の工場って、こんな姿だったんでしょうね。今の時代から見ると、とても風情があって贅沢な造りをしているように感じます。こういう場所を保存し、残している人たちに感謝したいです。

志田焼の里煙突

まるで映画のセットの様、大正時代にタイムスリップです。この博物館の素晴らしさは、大正から昭和初期の姿をそのまま残しているところ。昭和末期頃まで稼働していたという事ですが、どこにでもあるような近代的な工場の姿になっていないのが本当に素晴らしい。

中の設備や備品、製品まで稼働していた当時のまま残しているので、本当に工場が休みの日に入らせてもらったみたいな感覚。遺構を使った博物館の理想形じゃないでしょうか。

佐賀には様々な歴史遺構があるのですが、現存するものが少ないんですよね。特に、佐賀が力を入れている幕末系の遺構なんて、殆ど残っていません。

そんな中でこれほどの規模で残っている「志田焼の里博物館」は、佐賀で最も印象に残った建物が現存する遺構の一つですね。

志田焼の里博物館では工場跡の見学だけでなく、ランプシェード体験をする事も出来ます。嬉野や武雄に行ったら、ぜひ立ち寄ってもらいたい場所。マイナーですけど、みごたえは超メジャー級ですよ。絶対おススメの場所です。

「志田焼の里博物館」

MAP:佐賀県嬉野市塩田町久間乙3073 Googleマップへ

開館時間:9:00から17:00

観覧料:大人300円 2015年11月現在

ランプシェード体験:2,000円

定休日:毎週水曜日、年末年始

志田焼の里博物館の詳細情報及びお問い合わせは、下記リンクから公式サイトをご覧ください。

志田焼の里博物館公式サイト

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コウテツタクヤ編集長

投稿者プロフィール

非正規社員で非正規農家、非正規ウェブメディアの自称編集長と、もはや存在自体が非正規じゃないかと心配しながら暮らす”負け犬”ダメ中年。
起業に3回失敗しながら、全く懲りない永遠のチャレンジャー。

いつの日か、負け犬からハイエナに進化できる日を夢見ています。

大阪で生まれ、兵庫のベッドタウンで育ち、航空自衛隊に7年間勤務したのち就職。転勤族として全国を転々としながら時どき起業して失敗。その都度転職を繰り返し、気が付いたら福岡の片隅に流れ着いておりました。

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