佐賀県佐賀市にある「佐賀市歴史民俗館」は、博物館のような展示場ではなく佐賀市柳町の旧長崎街道沿いに残る古い街並みや、建築物を纏めてエリア全体を使った観光アトラクションです。5回目となる今回は「旧福田家」を紹介します。旧福田家住宅は佐賀で複数の企業を経営した実業家”福田慶四郎”が居宅として大正7年に建築した住居です。
江戸の文化で花開いた完成度の高い伝統的な日本建築の技術を用いて建てられた住宅で、日本建築の技術と芸術性が頂点を極めた時期の建築物としてとても高い評価を受けています。実際に訪れてみると解りますが、床、壁、空間、すべての調和が取れ、圧倒的な存在感のある和風住居です。
佐賀市歴史民俗館の建物はほとんどが旧長崎街道沿いに集中していますが、この旧福田家だけは少し離れた場所にあります。看板が設置されているので案内に従って歩けば迷わずつくさ!なので、安心してください。とりあえず看板に従って道をトボトボ歩いていくと、見えてきましたよ旧福田家が!存在感のある古い家ですが、違和感なく町に溶け込んでいます。佐賀市内の街並みって、こういう大正とか昭和初期系の家が普通の住宅の中に混ざっているから違和感ありません。
門前に到着!ドンッドカンッという感じで、立派な門があります。思わず「たのもー!」とか言い出しそうになりますよね。
門をくぐって母屋を見上げてみると、立派すぎる外観。重厚で落ち着きのある佇まいとでも言いましょうか、今でも人が住んでいそうな家ですね。
でました、セレブの証ともいえる武家屋敷風玄関です。
玄関を入ると、左、右に部屋があり、真っ直ぐに通路が続きます。
接客用の応接間だったのでしょうか、和風建築の家なのにいきなりの洋間。照明の根元は漆喰の装飾があり、窓にはステンドグラス。和洋折衷、大正レトロ浪漫、大正デモクラシーですね、文明開化の音が聞こえてきそうです。
立派な広間がありました、部屋の隅々までセレブっぽい部屋です。シンプルな中にも、しっかりと主張する装飾が施されていて当時の日本人はセンス抜群ですね。
流しを発見!現代のようなステンレスではなく、銅でしょうか?とても味のある色になっています。
茶室へと続く廊下。風呂など水回りが集中しているからでしょうか、廊下が畳では無く床になっています。
風呂場の天井も凝ってます、妥協が無いですね。細かい所まで、しっかりと作りこまれた家です。
電話室です、窓がオシャレ!電話も綺麗で、今でも使えそうな雰囲気。保存状態が抜群に良い家ですね。
どうですかこの部屋、とってもオシャレじゃないですか?古い普通の家のようでいて、必ずなにかしら目につくポイントが作ってあります。
建物に囲まれた庭も立派、ここまで立派な屋敷はなかなかありませんよ。
この旧福田家住宅は建築当時の状態が非常に良く残っている建物で、改造の後もほとんどなく設備や調度品の保存状態も良好。ここで写真を掲載しきれませんでしたが、細かい所で「おっ!すげー」と声が出てしまうような細工がそこら中にあります。現在は佐賀錦の制作実演や、展示が行われています。私が訪れた日も、二階で制作の実演がされていました。
この界隈は本当に歴史を感じる街並みで、とても良い雰囲気です。ぜひ一度、足を運んで頂きたいですね。古い街並みだけなら他にもっと良い場所がいくらでもあるのでしょうが、佐賀の場合は徹底されてないというか、中途半端というか、田舎っぽくて垢抜けていないんですね。観光客が少ない上に近隣住民もあまり気にしていないようで、なんかノンビリしていて、うまく言葉に出来ませんが観光地として洗練されていないところが佐賀の魅力です。
華やかさや賑やかさなど楽しそうな雰囲気は微塵もありませんが、観光地っぽくない飾らない素朴さが佐賀っぽくて大好きなんですよね。
参考:佐賀歴史民俗館公式サイト
関連記事
佐賀の観光名所「佐賀市歴史民俗館」を公式サイトより写真を豊富に使って紹介するまとめ記事
各施設の記事へ
佐賀市歴史民俗館①「旧古賀銀行」立派な洋館が佐賀にもあった!レトロおしゃれ?
佐賀市歴史民俗館②「旧古賀家住宅」江戸の面影を残す明治初期の建物
佐賀歴史民俗館③「旧牛島家住宅」18世紀の町屋建築”佐賀最古の町屋”
佐賀歴史民俗館④「旧三省銀行」和洋折衷!和風建築で銀行やるとこうなった的な建物
佐賀市歴史民俗館⑥「旧森永家」旧家を改装したお買い物ゾーン。紅葉の紅茶がオシャレすぎる!
最新情報をお届けします
Twitter で佐賀ポータルをフォローしよう!
Follow @SagaPortalCopyright © 佐賀ポータル All rights reserved.