佐賀市大和町の国道263号線拡幅工事で約340年前の磨崖碑が見つかったそうです。
こんな場所で見つかるんですね、山奥とかならいざ知らず佐賀へ行くときに毎回通っている国道沿いです。今回見つかった「磨崖碑」とは、信仰の対象として岩などに仏教に関する文字を直接彫ったもの。仏様の姿や顔などが彫られているものは「磨崖仏」といいます。
発見された磨崖碑。佐賀新聞によると、佐賀市内で確認されたのは始めてとのこと。拝みに来る人の為か、磨崖碑の下には石が組まれて祭壇のようになっています。
場所は道路工事事務所などがある所のすぐ近く。
ちょうど渡月橋という赤い橋の向かい側付近。
歩道もない本当の道路際です。この道路は福岡市と佐賀市を結んでいる主要道、大型車も通るので見に行くには注意が必要ですね。
磨崖碑まで階段がありますが、立ち入り禁止になっています。
1953年ごろまでは地元で羅漢さんとして信仰され、過去には祭りも催されていたそうです。さすがに今の状況だと、交通量が多いので拝みに行くのは危険です。
階段への入り口から見上げると、けっこう大きな岩ということが良く分かります。
道路の向かい側からズームで撮ってみました。蓮の花の上に「南無大悲観世音菩薩(なむだいじかんぜおんぼさつ)」と彫られています。これは観音様を拝むときに唱える言葉。
磨崖碑の下の石に何か彫られていますね。
佐賀新聞によると、この台座に掘られている文字から江戸時代の1674(延宝2)年に彫られたと思われるとのこと。
佐賀市側、渡月橋の上から撮ってみました。
取り壊しか保存か・・・
今回見つかった場所は道路拡幅工事の区間内。
佐賀土木事務所は当初、2013年度の事業着手時に工事区域に石碑があることは把握していた。
ただ、磨崖碑であることまでは確認できず、写真などによる記録保存の状態で取り壊す方針だったという。
現在、磨崖碑周辺を避けて可能な区域から優先的に工事を進めている。佐賀新聞より
ということで、当初は問答無用で壊す予定だったようですが、市の教育委員会は出来る限り保存したいという意向があるようです。しかし現行の計画通り工事を進めれば破壊せざるをえず、保存する場合は移設か工事計画の見直しが必要となります。
現状のまま保存という事になると、場所が場所だけに工事計画が大きく変わりそうです。移設するのは難しくないでしょうが、いずれにしても工期や予算の見直しが必要となります。
それでも出来れば残してほしいですよね、340年も残されていたものですから次の世代に残してあげたい。みんな同じ気持ちだと思うのですが、気持ちだけではどうにもならない。歴史が変われば失われるものが当然出て来る。地域住民や道路利用者の安全や利便性の向上も大切な事ですからね。私に出来るのは見守る事だけ、今後この問題がどうなっていくのか注目していきたいと思います。
話しは変わりますが現地に行って気になったのが磨崖碑の上の空間、以前は何かあったのでしょうか。開けた空間があるようです、すごく気になる。
こっちの工事事務所の上にも石積みが見えますよね、農地が広がっていたのでしょうか。
大和町の国道263号線を歩いていると、山の中へ続く道があったり不自然に開けた空間があったりするんです。むかしはもっと多くの建物などが建っていて、その跡なのでしょうか。いずれ気が向いたら、探索してみるのも面白いかもしれません。
ということで佐賀市大和町で見つかった「磨崖碑」を見に行ってきました。建てられた場所で見る事が出来るのは最後の機会かもしれません。
出来る事なら、他の場所へ移された姿を拝見したいものです。道の駅佐賀大和が近いので、あそこの河川敷に移設したら良くないですかね・・・と、無責任なことを言っておきましょう。
見学の際は近くに駐車スペースがありません、私は道の駅佐賀大和に立ち寄ったついでに歩いて見に行きました。交通量がおおい道路なので、見に行く方は十分に注意してください。大型トラックやダンプもビュンビュン通りますからね。
「大和町の磨崖碑」
※この記事は私が訪れたときのものです。現状と大きく変わることがあります、ご了承の上でご覧ください。
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