「佐星醤油」佐賀市内で絶対寄るべきレトロギャラリーとウマい醤油

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何度か訪れた事があるのですが、満を持して、ついに!「佐星醤油」ギャラリー紹介。

佐賀を訪れていつも思うんですけど、佐賀って「ご当地しょうゆ」がメッチャ多いですよね。日本は醤油という万能調味料があったためにソース文化が育たなかったとか言われていますが、とりあえず醤油と酒・みりんがあれば殆どの食材が美味しくなってしまう。破壊力抜群の凄まじい存在感の万能ソースなので、これはもうしょうがない。

醤油は日本人にとって味覚の核心、日本のソウルが詰まりまくった超絶ソウルフルソース。そんな醤油の製造元が、佐賀には市内をはじめアチコチに乱立しています。この状況はまさに醤油の群雄割拠。醤油好きの私にとっては、ワンダーランドと言っても過言じゃありません。

ということで、今回紹介するのは佐賀市内中心部、佐賀市唐人1丁目にある佐星醤油。1897年、明治30年創業、110年以上の歴史がある老舗醤油屋さん。

白山名店街のすぐ近くにある立派な建物、最近はギャラリーとして一部が解放されています。

佐星醤油ギャラリー1

昭和6年頃に建てられたという建物は、とってもレトロで存在感抜群。

佐星醤油ギャラリー2

一階部分の一部をギャラリーとして開放中。

佐星醤油ギャラリー3

早速中へ。

佐星醤油ギャラリー4

レトロなアイテムに製造している醤油の紹介、佐星醤油の歴史を紹介するパネルなどが展示されています。

佐星醤油ギャラリー5

うわっ!この箱とってもいいね。味の素の箱ですよ、日本語の横書きは右から左だったんですよね昔は。もともと日本は縦書き文化で、縦書きは右から左。それに倣って横文字も右から左だったのですが、日本が国際化していく中で欧米風に変化していきました。欧米の文字は左から右へ書くので、辞書や技術書など欧米の書物を翻訳したり和訳を原文の下に書く際などに左から書くようになり、戦後の新聞が左から右へ書くようになったことから今のスタイルが定着したそうです。

文字のグローバル化、近代日本が歩んできた文明開化による欧米化の歴史。その断片を、佐賀の醤油屋さんで見る事ができました。

右から左書きは戦前のもの、これは貴重だ。ちなみに、味の素が売り出されたのは1909年、明治42年のこと。

味の素木箱

ギャラリーに隣接した事務所と会議室のような部屋。ここもレトロで素敵なんです。

佐星醤油ギャラリー6

おぉっ、真鍮の蛇口です。今ではほとんど見かけなくなりましたが、私が小さい頃はまだ銭湯なんかにありました。懐かしいなぁ。

佐星醤油ギャラリー7

天井の採光窓。

この建物が建てられた当時は、今ほど電気を多用していなかったんでしょうね。

佐星醤油ギャラリー8

ずらりと並ぶ醤油の数々。

佐星醤油ギャラリー9

その奥には古い佐賀の地図、昭和2年製ですよ。これは必見!絶対に見たほうが良いです。昭和初期には、まだ佐賀城の東堀が残っていたんですね。今の様子と見比べてみると面白いです。

佐星醤油ギャラリー10

古い地図の横には、今と昔の写真が並べて飾られていました。

佐星醤油ギャラリー12

馬車鉄道の株券。明治のころは機関車より馬が引く鉄道馬車が一般的だったんですね。

佐星醤油ギャラリー13

ギャラリーの奥から入口。

佐星醤油ギャラリー11

いやいや、規模は小さいけど見ごたえのあるギャラリーです。街中散策で立ち寄るにはちょうど良いですよね。場所も中心市街地、白山名店街のすぐ近く。

ちょうど佐星醤油の前から道路の向かい側を見るとほら、アーケードの入り口が見えます。さらにここは十間堀という堀が現在も残されていて、佐賀城防衛ラインの北端部。総構えのちょうど外側にあたります。目の前の橋が、佐賀城総構えの堀である十間堀にかかっている橋です。

佐星醤油ギャラリー14

佐星醤油の建物もとても素敵で、大通りに面した洋館に純和風の建物が合わさったハイブリッド。

佐星醤油ギャラリー15

和風建築部分も気合入ってますよ、すごく立派な建物。

佐星醤油ギャラリー16

バルーンミュージアムみたいな大きな施設じゃありませんが、こういう小さな観光スポットってとても魅力的なんです。特に街を歩いた後に昭和2年の地図を見るのはおススメ。

せっかくギャラリーを見せてもらったので、当然ながら醤油を買ってきました。スーパーに行くと薄口、濃い口、刺身くらいしかありませんが、こういう醤油製造元を訪ねると同じ濃口でも色んな種類があるんです。

佐星醤油は昔ながらの伝統を大切にした丁寧な醤油づくりに定評があります。全国に出荷するような大量生産じゃないからこそできる味。料理によって複数の濃口醤油を使い分けるのもアリですよね。今我が家にあるのは福岡のヤマタカ醤油、甘味が強めの旨口系の濃口しょうゆ。鶏肉の煮物をよく作るので、甘めで香りのいい醤油を常駐させています。

なので、今回買うのはもうすこし締まった味のものがいいかな・・・ギャラリーにある醤油の展示を見ながら、今回購入したのは「菊」という醤油。事務所のスタッフにお願いすれば、工場直売してくれます。

佐星醤油ギャラリー17

さて、いったいどんな醤油なのでしょう。ストレートに醤油の味を感じるために、冷ややっこにかけてみます。

佐星醤油ギャラリー18

と、その前に醤油だけ味わってみます。スーパーの醤油ってしょっぱいだけでダイレクトに飲もうと思いませんが、醤油屋さんで買ったものはそのまま美味しい醤油が多いですからね。

とっても艶やかで美味しそうな色、一口飲んでみると醤油の風味が凄い。醤油の香りがとってもいいです。九州の醤油独特の強い旨み。これが甘味になるんですが、菊は塩味も強め。香りと旨みが強いのに、味をシッカリ締めていて切れがいい。抜群のバランス。

佐星醤油ギャラリー19

冷ややっこにかけると、味のメリハリが効いている醤油なので抜群に合います。他にも大根おろしにかけると旨いでしょうね、料理にかけるなら焼き魚との相性が良さそう。肉を使った煮物や鳥飯などの炊き込みご飯系には、塩味を抑えて旨みをアップさせた、いわゆる甘さと旨みの強い、まろやかタイプの九州醤油が合いそうですね。

菊は持ち味の風味、コク、芳醇な香りを、塩気がシッカリとまとめて〆ているので、味の強いものではなく淡白なものにかけると生きる醤油だと思います。甘い九州醤油が苦手な人なら、この醤油を刺身に使うと丁度いいかもしれませんよ。

佐星醤油ギャラリー20

子供の頃は母の料理はスーパーでかった大手の醤油だったんです。なので、醤油の味なんてどれも一緒と思っていました。しかし、九州に来ると地元の醤油蔵があるんですよ。我が家のすぐ近くにもあったので、試しに買った醤油で炊き込みご飯をやると抜群に美味しかったんです。まさか醤油を変えただけでこんなに変わるとは・・・と、目から鱗。それ以来、醤油は大手のものは使いません、もう戻れなくなってしまいました。玉子ご飯で使うにもスーパーの「玉子ご飯用」と書かれたかけ醤油よりも、九州の地元醤油で旨み系の濃口醬油の方が断然うまい。まさに、味の核心である醤油の味は、そのまんま味の変化に繋がる。

佐賀にはたくさんの「ご当地醤油」がありますからね、自分に合った醤油を探すのも楽しいかもしれませんよ。



「佐星醤油ギャラリー」

MAP:佐賀県佐賀市唐人1丁目1-16⇒ Googleマップへ

営業時間:9:00から18:00

定休日:土・日・祭日

※この記事は私が訪れたときのものです、営業時間やギャラリーの展示など変更になる可能性もあります。最新情報や詳細は公式サイトなどで確認することをお勧めします。

佐星醤油公式サイト⇒http://www.saboshi.co.jp/



 

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たくや@非正規編集長非正規農家兼ブロガー

投稿者プロフィール

現在は非正規社員で非正規農家、非正規ウェブメディアの自称編集長。
主に営業畑を渡り歩き、広報企画担当時にマーケティングを実地で勉強。
一部上場企業で営業課長、ベンチャー企業では営業本部長という肩書を貰った事もあります。
全国10以上の都市に転勤し、都会と田舎の格差に驚愕。地域活性化に興味を持ち、まちおこし関連の仕事をすることが現在の目標。

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