秘境です、超神秘的です、これぞパワースポット!という神社でした。
伊万里焼きの里にある氏神様を祀る神社「権現岳神社」はマジすご!神秘的な神社で驚きました。
地元の人は伊万里焼の事を「鍋島焼」と呼ぶそうですが、伊万里市の大川内山という地域は佐賀鍋島藩の御用窯がある焼物の産地でした。江戸時代は技術流出を防ぐために集落の出入り口に関所が設けられ、人の出入りが厳しく制限されていたそうです。そんな秘中の秘とされた焼物の里、その氏神様を祀る神社が「権現岳神社」です。
伊万里焼きの里である大川内山に行った際、配布されていたマップを見て気になったので行ってみると…もう期待以上!の神秘スポットでした。という事で、さっそく写真で紹介します。
まず、いつも通り「大川内山」入口にある駐車場へ。ここは伊万里焼会館、物産館になっていて喫茶スペースもある大川内山観光の拠点です。
ここから通常の観光ルートに沿って、窯元が建ち並ぶ集落へと進んでいきます。
坂を上り始めると、ひときわ目立つ煙突。伊万里焼の展示販売で有名な「せいら」前の交差点。
右へ曲がると鍋島藩窯坂と呼ばれ、両側に窯元の展示即売所が建ち並ぶ大川内山の観光ストリート。
権現岳神社へ行くにはここを曲がらず、標識で「権現神社坂」と書かれている方向へ直進します。
そのまま進むと、賑やかな藩窯坂とは対照的に普通の山里集落が続きます。この道が権現神社坂、しばらく真っ直ぐに歩いて行きます。
歩く事数分、右手に神社の参道入口がありました。ここが一の鳥居でしょうか。
「お、意外と近いじゃん!」と思ったのですが…甘くないですよ、ここからかなりキツイ道のりが待ち受けています。権現岳神社に参るには、動きやすい服装と歩きやすい靴を履いてから先に進むことをお勧めします。
また、体力と健康に不安がある方は、参拝を止めておいたほうが良いでしょう。
鳥居をくぐると、歴史を感じさせる参道が続いています。
階段を少し上ると伊万里焼の名陶工として有名な「副島勇七」の供養塔があります。副島勇七は優れた職人でしたが、藩の役人と折り合いが悪く大川内山を脱走。逃亡先の伊予の国(現愛媛県)で捕縛され、佐賀の嘉瀬にあった刑場で斬首されました。
詳しくは下記リンクを参照
供養塔を過ぎて続く参道、棚田のような開けた場所を抜けて行きます。ここまでに最初の鳥居と別に一つ鳥居をくぐっているので、遠くに見えるのが三の鳥居。
参道を横切る林道に出ると、四の鳥居があります。この鳥居からが参道の本番、いかにも…な雰囲気が漂い始めました。
鳥居の横にある水汲み場。
権現岳神社は通称「のど権現」とも呼ばれ、のどの病にご利益があるそうです。四の鳥居横には、のど地蔵がありました。しかし、どこを見ても伊万里焼がありますね、さすが焼き物の里です。
狛犬は新しいように見えます、怖い顔をしてますね~。ちなみに、写真は阿形狛犬。向かい側には当然ながら吽形の狛犬さんがいます。
さて、参道の階段ですが、かなり上まで続いています。元自衛官の私ですが、最近は運動不足気味の上に歳を重ねて中年オヤジになってしまいました。少し不安を抱えながらも「登れるかどうかじゃなく、登るのか登らないのかなのだ!」と自分を奮い立たせて進んでいきます。
登っていると、石積みを数多く見かけます。昔はここにも建物が建ち並んでいたのでしょうか、それとも棚田あと?この急斜面に棚田はさすがに…等々考えながら登っていきます。
後ろを振り返ってパシャリ。
どれくらい進んだでしょうか、ようやく社殿が見えてきました…って、岩肌をくりぬいたような場所に建つ建物。これは凄い!
横を見ると樹齢300年以上という杉の木が立っていました。江戸時代の人も、同じ木を見ていたんでしょう。
最後の階段を上って
おおぉぉぉ!これは凄い!感動の瞬間です。
いや~登ってきた甲斐がありました。岩をくりぬいて、その中に拝殿と神殿があります。
拝殿の手前に神社の説明を記載した看板がありました。
別の角度から見ると、なかなか凄い事になっています。こんな場所に建てるなんて、大変だったでしょうね。
神殿は豪華な造りで、さまざまな彫刻が施されています。
岩肌はゴツゴツしています、なんという岩なんでしょう?
せっかくここまで来たので参拝するため拝殿に上がりました。
100円のおみくじがあったので引いてみると…中吉!なかなか良いのでは?こんな凄い場所で引いたおみくじだと、なんだか当たりそうな気がします。
拝殿の天井にイロイロと書かれていますね、多くの人たちが参拝しているようです。
神社の建物がある岩屋を抜けると、広場のようになっていて仏さまが沢山祀られています。
神社に仏さま?と思う方もいるかもしれませんが、権現とは仏様が神道の神の形をとって現われたことを示す言葉です。日本古来の神道と、大陸から伝わった仏教が融合した姿を現す言葉なんですね。なので、神社の中に寺院があったりする事もあります。日本独特のスタイルですね。
岩をくりぬいた祠がありました。
こちらは龍神様でしょうか?なんか、カッコいいですね。
ここから更に岩肌沿いに道が通っていて、大川内山の集落北端あたりに繋がっているそうです。今日は準備をしていないのでここまで。草が生い茂っているので、ここから先へ進むなら冬が良いかもしれません。
先へ進んだ岩肌には、数多くの野仏様があるそうです。その一つが見えていました。
う~む、先に進みたい…しかし時間が…少し迷いましたが、今日は伊万里市内にもいかなければならないので断念。いつの日か、この先に進んでみたいと思います。来た時と反対側から拝殿を見るとなかなかの迫力。
上を見上げると見事な断崖絶壁です。
そういえば、ここまで登ってきたのなら景色はどうだろう?と思って周囲を見回したのですが、視界が開けたスポットはほとんどありませんでした。チョット残念です。登っているのが5月の終わりですから、草木が生い茂ってのもありますね。冬ならもう少し景色を楽しめるスポットもありそうです。
ほんの少し、木々の隙間から見えた景色がコチラ。
いや~凄い神社でしたね。自然の中にヒッソリと建つ、神秘的な神社でした。これぞまさにパワースポットですよ。参拝するのに自分のパワーもいりますし。
断崖絶壁の急斜面、大川内山の窯元がある集落とも山の中で繋がっているようですし、有事の際には避難用の通路として使われる事も想定していたのではないか?と想像を膨らませてしまいます。焼物で有名な大川内山ですが、焼き物に興味がなくても昔ながらの街並みと、こういった歴史スポットを巡るのも楽しいですよ。というか、焼き物の事など全く知らないし興味もない私でも十分楽しめる場所です。
数百段の階段を上る自信がある方はぜひ、権現岳神社を参拝してみてください。
伊万里市「権現岳神社」
MAP:佐賀県伊万里市大川内町乙 Googleマップへ
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