雲上城・館地区
南東尾根の城塞から道路を渡った向かい側、ちょうど東隣に城主の居館であったとされる「雲上城」があります。近代の城と違い、中世の城は城主の居館や平時の執務を行う城(館)を平地に、敵に攻められた時に立てこもる「詰城」を険しい山上に築くことが一般的でした。
雲上城はその平時の時に使用された城のようです。
少し小高い丘のようになっていますね。
雲上城に行く途中のあぜ道、南側の城原地区を見てみました。今は広大な田畑が広がっていますが、かつてはここが地域で一番の街だったんです。城下町として、多くの人々が暮らしていた場所なんですよね。
それではちょっと、田んぼ側からお邪魔してみます。
中に入ると、段々に郭が配置されていました。入ってすぐの場所も、平らにならされた郭のような場所です。
隣の郭とは、大きな段差があります。
これは見事な虎口!これはヤバい、メッチャ綺麗に残っています。これを見ただけでも来た甲斐があった、感動しますね。
外縁部の土塁。とても綺麗に残っています。城跡を巡っていても、これほど見事な土塁はナカナカお目にかかれません。
一つ上の郭にやってきました。ひろい空間が広がります。
虎口を上から撮ってみました。
雲上城南の端に来てみました。ほぼ垂直に近い急斜面ですね、これも切岸じゃないでしょうか。そして、この下にも堀があったはずです。
ここは門跡でしょうか、見事な保存状態の遺構。通路の先は帯曲輪のようになっています。
ここを下ると、直角に曲がってまたもや門跡のような場所。見事な虎口。ここ凄いね、保存状態が素晴らしすぎる。
虎口のようば場所を、下から撮ってみました。やっぱ門があると自然ですよね、帯曲輪と一番上に郭が段々になっています。
これはなんでしょう、堀跡っぽいけど。
すごいなぁと思いながら歩いていると・・・あ、人の家だ。ここが一番高くて広くなっている場所です。ひょっとして、入ってきては不味かったのかも。
これ以上行くと、人の家の庭ですね。探索はここまでにしておきます。というか、恐らく勝手に他人の家に入っちゃったのかな。ごめんなさい。
という事で、来た道を引き返していると途中で石を見つけました。石積みの石っぽいですね。
見てくださいよこれ、郭と郭の段差。写真じゃ分かりにくいですけど、本当にきれいに遺構が残っていて往時の姿を想像してしまうくらいスゴイ。
という事で雲上城の探索はここまで。とりあえず、案内板にあった「雲上城」の縄張図をアップで。かなり広いですね、今回見たのはほんの一部。それでも見事な遺構が残っていました。
続いて、城山の麓にある館地区を目指します。正面には長崎自動車道、館地区はこのまま道なりに行って左折、高速道路をくぐった先にあります。
さて、館地区の入り口にやってきました。
館地区にかかる石橋。相当な年代物ですよ、ひょっとして勢福寺城があったころのものでしょうか。
石橋を支えている石積みも見事。そうとうな古さです。
館地区の縄張図のアップ。
そして、まず入り口が凄い。見上げるような高土塁、両側にあります。ここにも門があったのでしょうか、そんな雰囲気です。
そして、土塁の裏側は、すぐ通路のようになっていました。右が入り口の土塁、左からも張り出してきてますね。そして先で左にカーブ、まるで虎口です。
入り口の土塁を内側から見ると、スゴイ高さだと分かりますよね。そこまでして守る重要な場所だったのでしょう。
先ほどの通路を進んでいくと、開けた一番低い場所にでました。湧き水があり、まるで庭園跡みたいです。
ここはいったん入り口に戻って、山の方へと進んでいきます。
大きな岩がありました。
これまた、竪堀でしょうか、それとも堀底道でしょうか。縄張図をみると、二筋の空堀らしき絵が描かれていますね。ちょうど2列ならんでいるので、おそらく空堀だと思われます。館地区の北側、背後にあたる事から防御施設の一部でしょう。
スゴイでしょコレ、見事なものです。勢福寺城跡に来て思うんですけど、本当に保存状態が良くて嬉しくなってきますよね。こんなの見つけたら、飛び上がって喜びますよ。
これは堀跡ですかね、左側は切岸。
雲上城も館地区も、素晴らしい状態で城跡遺構が残っています。特に館地区は正面に高土塁、背後は二筋の空堀で守りを固めた非常に堅固な造り。建物があったであろう平段の重なりも感動もの。写真じゃうまく伝わりませんが、ここに入った瞬間から中世山城とは思えない規模、さすが名門少弐氏が最後の居城としただけあります。
ここは是非、現状を出来るだけとどめて城の構造を復元するような整備して、誰でも見学できるようにしてほしいです。これだけしっかりとした遺構はなかなかありませんよ。
そして次はいよいよ、勢福寺城の山城へと登っていきます。
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