全国に隠れファンを持つ文武に優れたスーパー武将の隠居地でした。
「嘉瀬川ダム」は歴史ある集落に作られた最新設備の新しいダム。とても綺麗な場所です。
神代勝利という武将をご存知でしょうか。佐賀の戦国時代、佐賀のスーパーヒーロー龍造寺隆信と死闘を繰り広げた猛将として、全国に根強いファンを持つ武将です。
神代勝利は現在の神埼市・佐賀市・小城市の一部の北部山岳地域(山内)を支配した豪族で、この山岳部の豪族二十六家の総領として龍造寺隆信と佐賀の支配権を争いました。その神代勝利が息子に家督を譲り、隠居したのが畑瀬という集落。発掘調査で城館跡なども発見されたようですが、いまは嘉瀬川ダムの底に沈んでいます。
嘉瀬川ダムによってできた人造の湖「富士しゃくなげ湖」は佐賀最大の人造湖です。
ダムが完成したのは2012年という新しいダム。
高さ99m、堤防の上部は長さ456m。ダムの諸元はコチラ
それでは、ダムを渡っていきます。
正面の鉄塔が立っている山が神代勝利の隠居城「畑瀬城」の詰城主郭部があった山です。ここから北西方向に出丸があり、そのふもとに畑瀬館があったそうです。現在は詰城以外の部分は、すべて水没してしまいました。
うはッ!さすがに高い、そしてデカい。このダムは下流域の治水と周辺地域への水利、水力発電を目的とした多目的ダムです。
下に流れるのは嘉瀬川、このまままっすぐ下っていけば古湯温泉があり、佐賀バルーンフェスティバルの嘉瀬川会場へと続きます。
この嘉瀬川は8~10年の周期で大きな水害をもたらしていたらしく、直近の水害は平成2年(1990年)に床上浸水1,783戸、床下浸水12,327戸の被害を出しているとか。
こちらはダムの内側にある取水塔
ダムの水を放水するためのゲートがありました。これもデカい!
ダムがあふれるとここから水が出ていくのでしょうか、ダムを乗り越えてしまわないようになっているんですね。
ダムの真ん中あたりから見たダム湖。雄大ですね、新しいダムだけにとても綺麗に整備されています。
ダムのほとりにある「ダムの駅しゃくなげの里」です。富士町の農産物や特産品が売られています。
ダムの駅の対岸、ダムを渡り切ったところにあるトンネル。
このトンネルをでて少し行くと、神代勝利公の墓が移設された場所があります。
神代勝利公は戦国時代、龍造寺家とともに肥前守護「少弐氏」に従っていましたが、日増しに勢力を拡大する龍造寺家を脅威と感じ少弐家臣「馬場頼周」とともに龍造寺一族を殺害。さらに、龍造寺隆信が本家を相続した直後には、少弐家臣「土橋栄益」と村中城攻めに参加、龍造寺隆信を失脚させ筑後へと追い落とす謀略にもかかわっています。
神代勝利公の墓所であった宗源院から移設された墓所。ちょうど畑瀬城の詰城のふもとにあります。
龍造寺隆信は自らの父、兄弟を皆殺しにされたうえ、佐賀へ復帰後も筑後へと追い落とされるなど、まさに怨敵として神代勝利と戦いを繰り広げます。再び佐賀の地に返り咲いた龍造寺隆信は、神代勝利攻略の軍を起こしますが山岳地帯の戦で敗北を喫するなど、苦戦を強いられます。
しかし自力に勝る龍造寺隆信は、神代勝利に川上峡で決戦を挑み勝利。神代勝利は家督を嫡男に譲り、この畑瀬の地に城を築き隠居しました。
一番奥に行くと、ひときわ目立つ墓があります。これが佐賀山内の英雄「神代勝利公」の墓です。
城館跡には谷を横断するように土塁が設けられ、中央部の館を防御するようになっていたようです。また、出丸跡などの遺構も残っていたとのこと。いまは全てこのダムの底に沈んでいます。
続いて、ダムの下に降りてみます。かなり距離があるので自動車で移動すると、駐車場が整備されていました。
おぉう・・・目の前に立ちふさがる巨大なダム。迫力あります。
更に近づいてみると、更に大迫力。とにかく構造物がすべてデカい!スケールが違います。
嘉瀬川沿いには遊歩道が設けられていて、夏場などは良い遊び場になりそうです。
釣りをしている人がいましたが、ふと川を見てみるとデカい魚がいます。マスかと思ってよく見ると、鯉でしょうか?かなり上流部なのに珍しいですね。放流しているのでしょうか。
ココだけじゃなく、アチコチにいるんですよ。かなり魚影が濃いです。
大自然の中の巨大建造物、ダムの存在感はすごいですね。普通の街中じゃ見られないようなスケールの巨大なコンクリートの塊、水路やらなにやらすべてがデカい。そんな巨大な構造物が、周囲の自然と調和して不思議な美しさがあります。
福岡市内からすぐ近く、すぐ南に行くと古湯温泉もあります。ツーリングに出かけるには最適な場所じゃないでしょうか。
「嘉瀬川ダム」
MAP:佐賀市富士町大字小副川 Googleマップへ
ダム天端道路開放時間:7:00から19:00
ダムの詳細、見学、お問い合わせなどは下記リンクをご覧ください。
武雄河川事務所嘉瀬川ダム管理支所
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