天神という場所だけに、通勤や、ショッピングで来ている人も多いはず。なので、スグに持ち帰らなければならないような生鮮食品より、加工食品のほうが買いやすいですね。さらに、特別な調理を必要とせず、手軽に使える鶏飯の素なんかは重宝しそうです。大分の鶏飯は、炊き込むのではなく炊いたご飯に混ぜるタイプなので、加工品として販売しやすいですね。以前、知り合いからニンニクが効いた”鶏めしの素”を頂いたことがありますが、これ本当に美味しいんです。
こんな感じで、アンテナショップとしての「ひた生活領事館」を紹介してきましたが、この店の重要なミッションは「日田を知ってもらい、ファンになってもらう」事です。田舎の美味しい物を売って産品をPRする店で終わらないのが、ひた生活領事館です。
関係人口を増やすため、交流拠点となる事務所の重要性
今までのPR合戦による観光や企業の誘致、移住希望者の募集などは、都会と言われる地域からコボレてくる一部の人を、その他の地方が奪い合う”争奪戦”だったわけです。この争奪戦は全ての自治体にとってフェアな戦いでは無く、とんでもないハンデ戦でした。たとえば、首都圏・近畿圏から九州に興味を持つ観光客や移住者を佐賀に呼ぼうと思うと、戦う相手は福岡や長崎、大分別府に湯布院、佐世保のハウステンボスなど、佐賀が競合する相手は強敵揃い。同じ戦いをして勝てますか?という勝負でした。
そこで最近注目されている考え方が、「人の奪い合い」ではなく「関係人口をどれだけ作れるか」なんです。
人口が減っていく中で人の奪い合いをしたところで、消耗戦になります。勝っても負けても減少の幅が違うだけで、お互いに減る事に変わりはありません。結局は体力勝負で、ほとんどの自治体が敗北し、そこに明るい未来はなさそうなんですよね。
だからこそ、直接地方に来てもらわなくても、都会にいながら何か地方と関わりを持つ人を増やしていく事が大切なのだという考え方なんです。
「地方に来てもらうのではなく、地方から持って出てもらう。」
重要なのは地方に関わろうとする人が、フルタイムで地方に住んでいなくても成果を出せる仕組みを作る事。今回の「ひた生活領事館」がそこまでの機能を持たないとしても、福岡で生活する人たちと繋がりを持ち、日田に住まなくても日田の資源を生かして何かを始めるための実務的なパイプ役を担う事が出来れば、新しい地域活性の道が開けるかもしれません。
人口が増え続けないと成り立たない、人口が減ると破綻してしまうという地方都市は最初から設計を間違えています。人が減ってもそれに対応して運営できる柔軟な体制づくりこそが、地方都市には求められているのではないでしょうか。
今回「ひた生活領事館」を見学し、地方創生にかける地方の努力を垣間見ることができました。この施設は、公式サイトによると”ふるさと納税”に関する相談や、イベントや特産品情報をメディア媒体ではなく直接人から人へ伝える情報発信、移住に関する情報提供など、日田の人たちと福岡に暮らす人たちを繋げる”交流拠点”となることをミッションとしています。
そこから更に発展して、日田と繋がりを持った福岡の人が、日田のの資源を生かして福岡で起業しようという時に実務的な面からサポートできるような事務所になると面白いですよね。都会と地方を結び付けて、経済交流を実務面で支える施設、まさに国際間の経済交流を支える領事館そのものです。今回の日田市の取り組みが、そんな地方と都会の新しい関係を築いていくキッカケになればとワクワクしつつ、私が応援する佐賀にも何か刺激を与えて新しい発想による取り組みが始まればいいなと期待を込めて、今後とも応援していきたいですね。
ひた生活領事館
MAP:福岡天神エルガーラ地下2階
公式ウェブサイト:ひた生活領事館ウェブサイト
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