「山口亮一旧宅」えっ!こんなところに?佐賀の街中にあった築250年以上という茅葺屋根の古民家。
佐賀の街を歩いていると、思わず「おっ」と目がいく建物がありますよね。レトロというか、古い建物が無造作に点在している面白い町。先日も与賀神社の参道を神社前から一の鳥居まで歩いていると、佐賀大学近くTSUTAYAの裏道に「山口亮一旧宅」という看板を見つけました。どこにあるのか通りを見てみると、見事な「くど造」りの家が見えました。
「うわっ、こんなところに古民家があるんや」こういう驚きがあるのが佐賀。やっぱ面白いですよね。
場所はちょうど積文館のTSUTAYAとユメマートの間の道、この道は江戸時代から残る小路。与賀神社の参道です。
与賀神社から歩いてきて、大通りを渡ってすぐ。与賀神社二の鳥居のちょっと手前の曲がり角に、案内看板がありました。
道路左に見えているのがTSUTAYAです、その先にほら、見事な茅葺屋根。マジで「えっ、こんなところに?」でしょ。
近づいてい見ると、どうですかこの見事な古民家。これは面白い建物を見つけました、佐賀ポータルとして立ち寄らないわけにはいきません。
こういう屋根が段違いになっていたりするのがたまりませんよね、真っ直ぐにした方が簡単だと思うんですけど。ちゃ~んと意味があるんでしょう。
外から見るだけかと思ったら、一般公開されています。これは当たり!大当たりです。来てよかった。
休館日は月曜日。それ以外は、10時から16時まで開いています。
家の中は歴史を感じさせる重厚な造り、スタッフの話によると築250年以上の民家だとか。
座敷の方にへと進んでいくと、見事な欄間。植物が透かしのように掘られています。
床の間もいいですね。この日は家主であった山口亮一氏の作品展が開催されていました。
入ってきた入り口方向。
本物の古い家が持つ重厚で落ち着いた屋内、広々として明るく開放的な座敷。
入り口からちょうどL字を書くように配置された座敷、一番奥の部屋にやってきました。
天井の梁が太い、迫力あります。ドシっとした造りになっていて、今時の家より遥かに丈夫に見えます。
部屋に置かれた机も古くて、使い込まれています。
山口亮一氏が使用していたと思われる画材道具。
写真も飾られいます。家族の写真でしょうか。
表の座敷と違い、居室は少し天井が低く張りも武骨な大きい木材が使われています。
様々な絵画が展示されていますね。私はこの手の芸術というものに疎いのです。少し残念。
というかね、詳しい人たちがとてつもなく難しくしちゃうから、にわかファンとか素人はとっつきにくいんですよ。よく「マニアが業界を潰す」って言いますけど、芸術の世界もそういうところがあるんじゃないでしょうか。
写真も好きだったそうで、写真作品も飾られていました。
神埼市にある櫛田神社の祭りの様子を描いた巻物。
書院の上に使われているアールを描いた木。細かい所ですけど、シャレてますね。
見学できるのは座敷だけですが、歴史を感じる日本家屋。本物だけが持つ迫力と雰囲気、とっても心が安らぎます。扉の先にも部屋がある。ここから先は公開されていなんでしょうか、気になるなぁ。
二階にも部屋があるそうなのですが、老朽化のために公開していないそうです。古い建物は残すだけでも大変ですもんね。
ということで室内を一通り見て回った後、一度そとへ出て庭へ向かいます。
庭から見た山口亮一旧宅。茅葺の純和風、こういう家を見ると落ち着きますね。
佐賀と言えばクリーク、ここも家の裏にはクリークがあります。ほんと、佐賀の生活は水路と共にあったんですね。
広くはありませんが、とっても綺麗に整備された庭。
この建物は天保年間(1830年から1844年)ごろに白石町の須古から移築されました。天保年間といえば、天保8年に大塩平八郎の乱が大阪で起きています。この反乱は江戸幕府成立後、幕府旗本が出陣する合戦としては島原の乱依頼200年ぶりの戦でした。
明治元年が1868年ですから、少しずつ幕府の力に陰りが見え始めていた時代ですね。
明治期に大規模な改築が行われたそうですが、それでも見応えは十分、駐車場も整備されています。
この家の所有者であった山口亮一氏は、1880年生まれ、佐賀市出身の洋画家。東京美術学校卒業後は佐賀へ帰郷し、この家で創作活動や後進の育成にあたりました。
現在は佐賀市の所有となり、NPO法人「まちづくり研究所」が管理運営を行っています。
古い建物は、残していくのが大変だと思います。少しでも多くの方に知ってもらい、貴重な建物を後世に残していきたいですね。
「山口亮一旧宅」
開館時間:10:00から16:00
休館日:月曜日
※この記事は私が訪問した時のものです、開館時間や休館日など内容が変更になっていることがあります。最新情報、詳細は公式サイトなどで直接運営者ご確認ください。
山口亮一旧宅公式サイト⇒http://www1.bbiq.jp/machiken/
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