佐賀の観光名所、佐賀城本丸跡に復元された江戸時代の大名の御殿「佐賀城本丸歴史館」でプロジェクションマッピングなどを利用した特別展が開催されています。三重津海軍所が世界遺産に登録されたことを記念して開催されている特別展で、長崎警護という重責の中で西欧列強と直接対峙していた佐賀藩の、近代化への取り組みに関する展示が行われています。
佐賀城本丸跡への入口、江戸時代そのままの姿で建つ鯱の門。明治初期に起きた佐賀の乱で受けた銃撃の跡、弾痕が各所に残る門です。
佐賀城本丸にあった大名屋敷、本丸御殿の一部を復元した「佐賀城本丸歴史館」
入口を入ると、常設展示では佐賀藩が正式採用していた銃が展示されているのですが、今回は特別展の案内に変わっていました。
御殿の中で一番広い大広間の通常時の写真
上の写真にある大広間を区切って用意された、プロジェクションマッピング上映の間。部屋全体というよりも、ちょうど真ん中くらいの高さにある障子に映像が移されます。
上映の内容はストーリーがあるとか、何かを訴えようというよりも、現代に残されている当時の絵とCGを組み合わせたイメージムービーっぽい作りです。ゲームのオープニングムビーといった感じでした。
プロジェクションマッピングを上映する部屋の横には、こちらも大広間を区切って用意された展示ブースがあります。
三重津海軍所に関する展示なので、海軍基地の様子を描いた大きな絵がありました。佐賀藩海軍の全盛期の絵と思われます。和船と西洋風の蒸気船が書かれていて、当時の様子をイメージし易い絵です。
このブースには缶バッジを作るコーナーがあり、無料で一つ作る事が出来ます。
本丸御殿と佐賀藩海軍の軍船があったので、軍船「凌風丸」のバッジを作りました。
特別展の展示室がありますが、この中は撮影禁止。中には三重津海軍所の出土品や、佐賀藩海軍関連の書状、佐賀藩海軍の軍旗、蒸気船の模型などが展示されています。
京都で新撰組と脱藩浪士や長州の志士などが切った張ったをやっていた頃、佐賀藩は西洋式の装備を整えて軍の近代化に邁進していたことが良く分かる展示でした。佐賀藩は他の藩と違い、国内で唯一外国に開かれた長崎港警備を任務としていた関係上、早い段階から西欧諸国と直接対峙する立場にありました。
アジア全土が西欧諸国の植民地となっていく中、西欧の優れた技術と強大な軍事力を脅威と考えた佐賀藩は、他藩に先駆けて西欧列強と戦える軍を整備する必要に迫られたのです。
江戸時代という平和な時代に暮らし、平和が当たり前になっていた時代に突如として現れた西欧の軍事大国。国の独立を守るため、当時の人たちがどれほどの危機感を持って事に当たっていたのか、幕末期の資料を見ているとよく伝わってきますね。
この展示は、2015年9月23日まで開催されています。世界遺産に登録された三重津海軍所跡と併せて見学すると、よりイメージが膨らむと思います。
佐賀城本丸歴史館をもっと詳しく見たい方は、下記リンクから以前紹介した記事をご覧ください。
巨大な木造建築「佐賀城本丸歴史館」復元された大名の御殿を写真で紹介
佐賀城本丸歴史館:特別展「幕末佐賀藩の挑戦(チャレンジ)~360°の映像とスケール感で楽しむ~」
開催期間:2015年7月10日から同年9月23日まで
開館時間:9:30-18:00 会期中無休
入館料:無料
MAP:佐賀市城内2-18-1Googleマップへ
イベント特設サイト:佐賀藩の挑戦公式サイト
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