全くのド素人がネットの知識だけを頼りに始めた非正規農業、どうなるんでしょうかねぇ。
本当はね、佐賀で農地を見つけて、佐賀で仕事も見つけて、佐賀へ移住して、田舎暮らししながら半農生活するのが希望だったのですが・・・私は貧乏なので農家になれませんでした。そこで唯一の可能性として残されたのが「闇小作」という就農の仕方、ようするに非正規な方法で就農する方法だったんです。
このサイトの事もあるし、佐賀は楽しいし、何とか佐賀で農地を使わせてくれる方を探そうと思ったんですが・・・今回は縁がありませんでした。ちょっと残念。いずれにしても、家族が佐賀行きに猛反対だったので、微妙と言えば微妙だったんです。子供は同居しながらも就職していますし、家内も正社員ですから。あんたはいいけどコッチの仕事はどうするんだと。
どうにもうまくいかないなぁ~と悩みつつも、農業を軸にして半農生活を目指すぼくとしては動きを止める事は出来ません。そんな時に、福岡市内に耕作放棄地を所有している方が「一緒に畑やろう」と声を掛けてくれました。その方はサラリーマンで、両親が亡くなり相続した農地をほったらかしにしていたみたいなんです。
こんないい話、この後もある保証はありません、タイミング的にもチャンスかもしれないと思い申し出てくれた方にお願いして私は非正規農家になりました。
新規就農を阻む高い壁
そもそも、なんで就農できないかというと・・・私が農家じゃないからなんです。農家じゃなければ農地を買う事も借りることも出来ません。出来るのは、せいぜい市民農園を借りて家庭菜園を始めるくらいのもの。
じゃあ、農家になるにはどうするのかというと、農業大学に通ったり、農業法人に努めたりして技術を習得したうえで5,000平米以上の農地を確保し、就農計画を提出して審査に合格し、そこで初めて農家になれるんです。そんなのアレですよ、お金が無ければできません。農業がどうなるか分からないのに、生活の糧である仕事を辞めるわけにいきませんからね。私の場合は、あくまでもサラリーマンを続けて生活を支えつつ、空いた時間で農業をするという副業スタイルからスタートしない限り無理だったんです。
その問題を解決してくれる人が、このサイトのファンでもあった福岡の人。結果、まずは福岡の畑からスタートし、規模を拡大して佐賀方面に進出してやろうと考えて非正規農業に取り組んでいるのが現在の状況です。
大丈夫かよ・・・耕作放棄地再生
ぶっちゃけ、やればどうにかなると思ってたんですよね。しかし!やってみると予想以上に大変、こりゃとんでもない事を始めてしまったなぁと思うと同時に、何もかも知らないことだらけで目新しい発見の連続。私は新しい事をするのが大好きなチャレンジャーなので、楽しくてしょうがない。もうね、農業にのめり込みそうですよ。
という事で最初に現地を見たときはこんなでした。まあ、たいした事ないだろうと思ってたんです、この時は。
なかなか強烈でしょ、これを耕すんですよ。
そこで活躍したのがこの耕運機。5年以上使われずに眠っていたので、動かすのにウン万円の修理代がかかりましたが6馬力の頼もしい相棒です。おかげで、佐賀の取材費が無くなりましたけど・・・
雨の日に耕して泥沼化するなどのアクシデントもありつつ・・・後日ネットで調べると、雨の日は土が粘土状になるから耕しちゃダメなんだとか。耕運機もドロドロ、ピコくんゴメン!
耕しながら晴耕雨読という言葉が頭に浮かびました。昔の人は上手く言うもんだなぁ。
放置されていたマルチがなかなかはがれなくて、マルチ剥がしで一日終わったり。25メートルくらいの畝が4本、マルチ張ったまま放置してあったんです。
草を刈り、耕運機で耕して耕して・・・どうですかコレ、何とか畑っぽくなってきたでしょ。こんなだ~れもいない場所ですが、ここも福岡市内です。福岡市早良区曲淵、水源の森とか言われている場所。すごいでしょ。
堆肥って何?美味しいの?
長い所だと10年くらい、一番最近まで使われていた場所も5年以上放置されていたという畑。土というより、粘土みたいになっていて土をどうにかしなきゃ。ネットで調べて辿り着いたのが、堆肥を入れるという事。
そこで問題になったのが、堆肥ってどこで手に入れるんだ?という事。ネットで必要な量を調べると、トン単位で必要になりそう。ホームセンターで見たら、20kgで数百円する。これは金がかかるなぁと思っていたら、とある養鶏場で鶏糞堆肥を作っていて、農業に新規でチャレンジしていてお金がないと伝えると「取りに来るならただであげるよ」とのお言葉。なんでも、福岡市のコンクールで入賞したこともある堆肥なのだとか。元肥としても使えると聞いて、さっそく貰いに行くことに。
見てくださいこれ、この大量の堆肥。もみ殻やら鶏の骨やら何かの灰やら、いっぱいブレンドされています。他の農家も使ってるみたいなので、有難く頂戴します。写真に写っているのは、畑の所有者。いつも二人でやってます。
この堆肥をシャベルで袋に詰めて、20袋ずつ貰っていきます。
この堆肥を一袋ずつ畑へ運んで
ぶちまけて均等に伸ばし、有機石灰を撒いて耕します。
そんなこんなで、登記上1700平米ですが段々畑なので使える場所は少ない畑に、1.2トンほど堆肥を入れました。
畝立て地獄
耕運機のピコ君、畝を立てるアタッチメントがあるとのことで購入し、生まれて初めて畑の畝立てをやってみる事に。ネット動画で見る限り簡単そうにやってるんですが、これがメッチャ難しい。
あぁ!もう、真っ直ぐ行かない
何度やっても真っ直ぐ行きません。150cmの黒マルチを張りたいので畝幅90センチにしたいんですけど、65センチの場所や120センチの場所が出来てもう大変。何度やり直しても無理。
畝を崩してやり直し、繰り返してもダメなものはダメ。写ってるのは畑の所有者、相棒がいるだけ恵まれてますかね。
やっぱ最後はこれか、これしかないのか。
最後の最後、頼りになるのは自分の腕と・・・クワでした!
ほとんど全面修正に近いくらいクワを振って、完成したのがこれ。まあ、限界かな。
ジャガイモを植えよう
仕事を続けながら休日を使って栽培できる野菜は何か・・・イロイロ調べた結果、切り込み隊長として選んだのがジャガイモ。キタアカリを20kg植える事にします。
小さめの種芋が欲しかったのですが、糸島農協へ買いに行くと大きなLサイズしかありません。どうしよう、後で切るか。
とりあえず箱から出して、光に当てながら強い芽を育てます。
畑は全部で6段に分かれていて、とりあえず3段目に植えるのはこのジャガイモ。あとは大根を2段、ニンジンを1段、小ねぎを1段植えようと思っています。
白い芽が出ていますが、これを光に当てて緑やら赤黒い芽に育てていきます。
いまは春植える野菜を準備していますが、収穫が終わったら秋には玉ねぎとニンニク、キャベツをやろうと思っています。全くド素人のやる事ですから、どうなる事かは結果を見るまでのお楽しみ。生まれて初めての体験で、しかもネットで調べながらの素人農法ですから。
あ、そうそう、先日ジャガイモを植えてきたのですが、その様子はまた後日アップします。
はじまりの村プロジェクト
農地の所有者も僕も、お互いに農業未経験、全くの初心者。お互いにネットで調べて、あ~だこ~だ言いながらなんとかやってます。二人でいつも話すのは、早急に耕作面積を広げていきたいという事。幸い、農地の所有者である相棒が農家だし、農協会員を相続しているので、私が非正規農家とはいえ色々とスムーズに進んでいます。農協への出荷も出来るし、農協が運営する直売所へ出すこともできます。さらに、福岡市内は毎週どこかでマルシェをやってるので出店も容易。将来的には、自分で店を出す予定にしています。生産から販売まで、出来る限り自分たちでやっていこうと話しています。
そして次にやろうとしているのが、副業で就農出来る仕組みづくり。私は「はじまりの村」と名付けたのですが、簡単に言うと農業に興味を持ったらとりあえず「お試し」で始められる場を作る。農地法などの参入障壁のせいで就農を断念する人を減らし、農家を増やしていく取り組みを進めていこうと思っています。まずは福岡でやってみて、うまく行きそうなら佐賀方面へと広げていきたい。佐賀でやるなら、地方移住もセットで出来るような民間企業になりたいというのが現在の野望です。
地域活性化事業は四国や九州で何度か携わってきました。その中で、行政が主導する事の限界を実感しています。やはり民間企業、NPOではなく自力で金を稼ぎ事業を継続し、さらに再投資して規模を拡大していける「営利法人」じゃなければ出来ないと確信しています。やりたい事、将来的に条件さえ整えば出来る事、頭の中にはたくさんのプランがあります。
夢は大きく、やることはセコく。
人は先の夢を見がちですが、いきなり高みを目指すのは失敗のもと。まず前を見ずに足元を見て、出来る事から少しずつ、小さく小さく進んでいこうと思います。例え目的地までたどり着けなくても、どこで止まってもやっていける事が大切。焦らず急いで、一歩ずつ進んでいきます。
やってる事が地味なので面白くないかもしれませんが、畑の様子は時どきアップします。もし興味を持っていただけたら、覗いてみてください。本当に悪戦苦闘してますからw
冷やかし歓迎w
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