農業は厳しい!田舎に移住して副業で農業やろうなんて考えてたら痛い目に合いますよ。
初めての農業で四苦八苦している私ですが、ようやく初収穫までこぎつけました。植えたのはジャガイモ、大根、ニンジン、オクラ。そんな中で大根は虫にやられて壊滅、ニンジンは雑草に埋もれてもうわけわかんない。オクラはほとんど発芽せず・・・ということで、まともに収穫できたのはジャガイモだけという悲惨な現状。
とりあえず収穫の様子がコチラ。マルチを取りながらジャガイモを掘っています。写真に写ってるのは、この畑の所有者。
マルチをはがし、シャベルで堀りながら手作業で収穫。下の写真に写っているたった20kgのジャガイモが
こんなに沢山収穫できました!
凄いですよね、何倍に増えたんだろ?
化学肥料は全く使用せず、農薬も使ってません。いわゆる有機無農薬で育てたジャガイモたち。後はこれをどうにかして販売しないと、とてもじゃないけど食べきれません。
幸いにも畑の所有者が一緒にやってくれてるので、私たちは福岡市農協の正組合員。福岡農協の直売所「じょうもんさん」に出品できるんですよね。そこで野菜は鮮度がいのち!ってジャガイモにはあまり関係ありませんが・・・それでも早く売った方がいいに決まってるとばかりに出品してみました。
初日の結果は・・・
全く売れず、えぇ、一つも売れないんです。
周りのジャガイモは売れてるのに、私たちのジャガイモだけが売れ残り。そこで近くにいたオッチャンに聞いてみたところ「これキタアカリやから売れんよ」と驚愕の事実を突きつけられました。
私たちが作ったジャガイモはキタアカリという品種。男爵系の品種で特徴は以下の通り。
果肉は男爵よりも黄色く、肉質は粉質で、加熱調理するとホクホクした食感が味わえます。また、男爵よりも甘味が強いのも特徴です。この色や甘さなどからクリジャガイモなどとも呼ばれ、人気が高くなっています。
私はポテトサラダが大好きなので、甘味の強い美味しいジャガイモを作ろうということで選定した品種だったのですが普通の男爵やメークインじゃないと売れないのだそうです。特にキタアカリは芽の部分が赤いので、病気と勘違いされてしまうのだとか。
有機無農薬で作ったキタアカリ、男爵より美味しいジャガイモと思って作ったのに市場からの評価は最悪。農協の直売所ですから、ポップを付けるわけにもいかず生産者としての知名度もゼロ。これは地道に出荷し続けて、認知度を上げていくしかありませんね。
結局今日までで4日間直売所に出してみて、売れたのは10袋。500gで100円という値段を付けて、他より2から3割安くしてるんですけどね、それでもこんなもんです。直売所は安くしても売れません、これはいい勉強になりました。
田舎で農業は甘くありません
ここ最近は田舎暮らしに対するイメージアップ戦略といいますか、過度に期待感を持たせるようなPRを目にします。特に農業をしながらストレスのない生活、都会で消耗する生活じゃなくゆとりある田舎暮らしをしませんか?みたいな話が多いですよね。
半農半Xなんて、まさにその急先鋒。しかし!言っときますが、農業は甘くないです。ジャガイモの次に順調なニンジンも、収穫したところでどこに売ろうか・・・という話。
雑草に負けずたくましく育つ人参たち。鶏糞に色々ブレンドした堆肥と貝殻を入れてから、ほとんど放置して自然栽培っぽくなってる人参です。当然ながら無農薬。
畑を見るとこんな感じ。凄い事になってるでしょw
さすが5年以上放置されていた耕作放棄地、自然の力は偉大ですよ。
とにかく農業は始めるのがまずは難しい。普通のサラリーマンだと農地を取得すること自体が不可能ですからね。さらに農地を確保して作った所でどこに売るのかが問題、直売所は朝出して夕方回収に行かなければなりません。仕事しながらだと休みの日しか出荷できない。そのため、売れ残りが大量に出ます。
かといって仕事をやめていきなり専業なんてもってのほか、野菜って植えてから収穫まで数か月かかりますからね。作った野菜が思うように売れなかったら、その後数か月間は収入がなくなります。スタートして収穫まで無収入、思ったように育たなければ次を植えて収穫まで数か月。農業始めるなら自己資金500万は必要と言われる理由が良く分かりました。
これから農業を始めたいと思っている人がいるなら、絶対に専業はおススメできません。他で収入を得ながら趣味の延長から始めるべきです。更に言うと時間に縛られるサラリーマンより、フリーで仕事している人と相性がいい。なので農業を始める前にフリーの仕事で食べていけるようになって、その後に農業をスタートするべきです。
資金の無い貧乏人が農業を始めるには
という事で私もいまサラリーマン以外での収入を得ようと活動を始めました。当初はサラリーマンと兼業なら農業を始められると思ってたんですね、しかし実際にやってみるとほとんど不可能に近い。なぜなら週に一回の休日を使って作業しようにも、雨がふったら最悪です。雨の日は畑に入るといい事ありませんよ、実際にやって酷い目に合いました。
そうなると次の休みがくるまで2週間何も出来ません。その間に虫にやられたのが大根。8から9割発芽しているのを確認していたのに、2週間後に行ったら虫にやられてほぼ全滅状態。もっとこまめに見に行けていたら、農薬を使うなど対処できたはずです。
また種を撒くタイミングも合わせるのが難しいんです、雨で土づくりが一週ずれると後の計画も全部一週ずつずれていく。途中で雨が降ったら、そこからは2週ずれるんです。これは大きいですよ。
さらに販売です、野菜を作ったら売らなければなりません。直売所は朝出して夕方回収、かならず二回行かなければなりません。そのため休日だけしか販売できないんです。しかも最初は生産者として名前を知られていないので、ほとんど売れない。
毎日出すことも出来ず、無名なので売れにくい。倉庫に野菜が積み上がり、このままじゃ肥料として畑に漉き込むしかありませんね。
それでもやりたい!
という人ならチャレンジしてみるといいですよ。実際やってみると、農業って楽しいですから。あ~だこ~だ考えながら土づくりをして種を撒き、芽が出て育っていく。そして収穫。そうやって楽しめるのも、職業としてではなく趣味として農業をやってるからです。生活がかかっていないからこそ楽しめる。
なので、しつこいですが別に仕事をもって、副業から農業を始めたほうがいい。
農業は自然の中で誰かに気を遣うでもなく、ノルマがある訳でもなく、自由に作業が出来ます。ダメならだめで自己責任、誰かに責任を追及されるような事もありません。そういう意味で気楽に楽しめる。
売れなければどうやって売るかを考え、年間の栽培計画や耕作する場所のローテーションを考えたり、ワクワクが止まりません。自分のやった事の結果がダイレクトに帰ってくるので、先の楽しみは尽きないんですよね。
私の場合は失敗する事を前提にスタートしましたから、今回はとても貴重な体験が出来たと思っています。まだまだ駆け出しなので、ここから先には更なる困難が待ち受けていると思いますがマイペースで乗り越えていきましょう。
農業を始める前に生業を作る
何度も言いますが、
とりあえず農業を始めたいと思うなら、まずは生業(なりわい)を作りましょう。
農業だけに頼らず、他からの収入があれば失敗から学ぶことが出来ます。農業に全てをかけてしまう、いきなり専業で始めようとすると失敗で受けるダメージが大きすぎます。
農家が減少しているといっても、新規で始める人は重宝がられて支援が受けられるなんて思ったら大間違い。実際には「やりたきゃ勝手にやれ」くらい冷たく放置されます。それどころか、ヘタすると地元の人から不審者を見るような目で見られます。なので最初は誰にも頼らず、全て自力で解決するくらいの覚悟が必要。
私はいま給与以外の収入を増やし、農業に携われる日数を月8日から月15日にするめに行動しています。実現すれば農作業に使える時間が増えるだけでなく、マルシェイベントに自分で売りに行くことも出来るようになる。販売面の問題が解消できれば、農業からの収入も見込めます。
そこでお金を貯め、野菜の加工まで出来るようになれば楽になるでしょう。
事前に十分な資金と準備期間がある人はいいですが、それ以外、資金が無いのに農業を始めようとしている人がまずやるべきこと。それは、自営で稼ぐ手段を持つこと。農業はその後です。
これは全くの素人が自己資金ゼロで農業にチャレンジして学んだこと。
まずは自由に活動できる時間を確保する事、それが無ければ農業なんて始められません。
最新情報をお届けします
Twitter で佐賀ポータルをフォローしよう!
Follow @SagaPortalCopyright © 佐賀ポータル All rights reserved.